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選択肢が少ないから Expedia を使うという選択

旅の主役は、街と食だ。
どれだけ素敵な部屋に泊まっても、その記憶は皿一枚に負ける。

宿に求める条件は、ほんの少しでいい。
・清潔である(虫が出ない)
・湯がちゃんと出る
・駅や市場に近い

これだけで、旅は成立する。
これは妥協ではなく、「背景は背景として機能すれば十分」という、
旅の思考の純化に近い。

宿に物語を求めない。
余計な期待を外すことで、旅の解像度はむしろ上がる。


予約サイトのノイズが多すぎる

ところが現代の予約サイトは、情報の洪水だ。
民泊、ゲストハウス、無人アパートメント。
鍵の受け渡し方法は曖昧で、オーナーとのやり取りは長い。
写真は綺麗でも実物が違う、という「写真詐欺」も珍しくない。

そして検索結果は数千件。
まともな宿を見つけるための決断だけで精神力を削られる。

旅の準備で消耗したくない。
宿はただの箱なのに、選ぶ行為だけが重くなっている。


Expediaという「程よい不自由」

Expedia の選択肢は、他の大手サイトより明らかに少ない。
しかしこの“物足りなさ”こそが価値になる。

民泊系のノイズは少なく、
従来型ホテルやビジネスホテルがすぐに見つかる。

「80点の合格ライン」をクリアした宿だけが並び、
3分で予約が終わるスピード感。
旅の不確実性は減り、決断の負荷も軽い。


サイトの「静けさ」がちょうどいい

Booking.com や Agoda のようにポップアップは飛ばない。
「あと○部屋しかありません」も控えめだ。

Expedia には、どこか静けさがある。

その静けさは、旅を急かさない態度にも見える。
選ぶ側のペースを尊重し、
迷ったときほど落ち着きを取り戻させてくれる余白がある。


掘り出し物は「店」で探す

ここに、この選択の核心がある。

冒険をするべき場所は、宿ではない。
路地裏で偶然見つけた店、誰も並んでいない朝食屋、
そこにこそ冒険する価値がある。

未知の味のために、体力も集中力も取っておきたい。
予約サイトの取捨選択で疲れるのは本末転倒だ。

掘り出し物を探すべき場所は、街の中だけでいい。
宿は安全牌でいい。
そのほうが、旅はもっと深くなる。


選ばないことで、旅は自由になる

Expedia は最安値争いに強いわけではない。
情報量でも勝っていない。

しかし「選ばなくていい」状態を提供する点で、
旅の準備における最高の効率化ツールになる。

宿は背景。
背景を最短で整えれば、
残りの時間と意識を、すべて主役に投下できる。

選択肢が少ない Expedia は、
旅を軽くするための、ショートカットだ。


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