台湾の移動システム|全体像
桃園空港を出てMRTに乗り、都市間鉄道を降りた先では、バスやスクーター、YouBikeが途切れず現れる。飛行機から街角まで、移動の主役が何度も入れ替わるのに、流れは大きく途切れない。
世界の中心ではなく、
その少し外側で見つけた記録。
桃園空港を出てMRTに乗り、都市間鉄道を降りた先では、バスやスクーター、YouBikeが途切れず現れる。飛行機から街角まで、移動の主役が何度も入れ替わるのに、流れは大きく途切れない。
ショッピングモールが閉まり、バーの灯りが消えたあとも、道路沿いのママックには白い蛍光灯が残っている。濡れたバイク便の人も、食事を終えた家族も、同じ硬い椅子に座ってテ・タリを飲んでいる。
ガラスケースの中には、揚げ鶏や羊肉、魚、野菜の鍋が隙間なく並び、注文のたびにその上から黒・赤・黄色のソースが重ねられていく。指差しで選んだ具材は、最後には境目のない茶色い洪水に沈む。
高雄の朝、興隆居の前では湯包と焼餅の列が途中で分かれ、蒸気の上がる厨房へ次々と客が進んでいく。近隣の果貿來來豆漿にも列ができ、この一角だけ朝の人の流れが膨らんでいる。
マレーシアの街角では、朝から生地を鉄板に叩きつける音が響いている。薄く伸ばして焼かれた何も入っていない円盤を、客は手でちぎり、カレーに浸して食べる。
台湾のかき氷店では、メニューを開く前から「マンゴーでしょ?」と声をかけられることがある。ところが果物屋を歩くと、山積みになっているのはマンゴーよりグアバやレンブのほうだ。
茶色いソースに覆われ、具材の境目もほとんど見えないナシカンダーの皿を、会計係のアネは一瞥して12リンギットと告げた。オクラを一つ足したのに、いつもの金額は変わらなかった。
夕方の路地に「エリーゼのために」が流れると、袋を手にした住民が建物の前へ集まってくる。ごみを捨てるために、人が毎週決まった時間を差し出す風景は、台湾の街では珍しくない。