台北・大同区 大稻埕魯肉飯についての記録
延三夜市の大橋頭魯肉飯では、そぼろより大きく角煮より小さい「幼肉」が、滷汁をまとってご飯の上に並ぶ。そこへ控肉まで重ねると、丼から白いご飯がほとんど見えなくなる。
世界の中心ではなく、
その少し外側で見つけた記録。
延三夜市の大橋頭魯肉飯では、そぼろより大きく角煮より小さい「幼肉」が、滷汁をまとってご飯の上に並ぶ。そこへ控肉まで重ねると、丼から白いご飯がほとんど見えなくなる。
ジョージタウンのママックでは、白いご飯にいくつものカレーがかかり、境目のない茶色い皿が出てくる。隣では、甘い紅茶が泡を立て、夜の客が「Boss」と呼び合っている。
台北101の光が届く臨江街では、家具店のシャッター前に夕方から屋台が並び、スーツ姿の会社員や近所の住民が食事を買っていく。同じ一本道が、昼と夜で別の使われ方をしている。
マレーシアの食堂では、赤いペーストが料理の脇ではなく、ご飯や肉の上に厚く置かれている。ナシレマの甘い米も、焼き魚も、麺のスープも、その赤い辛味を受け止める土台に見えてくる。
KLセントラルのNu Sentral側出口を出ると、横断歩道の手前に赤と青の「ABC」が並んでいる。早朝も深夜も白い蛍光灯がつき、駅から流れてきた人がそのまま席に入っていく。
昼過ぎの魯肉飯店には、目立つ看板も行列もないのに、人が途切れず吸い込まれていく。白いごはんに具とタレをのせたその一杯は、どこか日本の家庭の食卓にもある姿をしている。
台湾のかき氷店では、メニューを開く前から「マンゴーでしょ?」と声をかけられることがある。ところが果物屋を歩くと、山積みになっているのはマンゴーよりグアバやレンブのほうだ。
台北の食堂を夕方に歩くと、まだ19時なのに椅子が上がり、店先に水が流れている。日本ならこれから客が増えそうな時間に、鍋が空になった店から順に、その日の営業を終えていく。