2025年– date –
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台中
台中・北屯区 立早湯包についての記録
―― 台中でいちばん静かな“本気の屋台” ―― 北屯の北平路に滞在していたとき、ここは散歩のついでに寄る店だった。派手な看板もなく、屋台と店のあいだのような佇まい。ただ、蒸籠の湯気だけが目印になっていた。 何度か通ううちに、「ここは普通の屋台では... -
台中
台中・西区 葉小籠包について記録
―― 台中・模範街で出会う、主食としての湯包 ―― 模範街の静かな通りに、青い外壁の小さな店がある。看板には「水湳50年老口味」と書かれている。ここは 葉小籠包。水湳市場の屋台から始まり、半世紀以上続く店だ。 通りの雰囲気は今どきのカフェが並ぶ落ち... -
台中
台中・西区 嘉園小上海點心總匯店についての記録
―― 台中の蒸気と、干貝の出汁 ―― 中華路一段を歩いていると、ふいに湯気の匂いが鼻をかすめる。古さの残る外観。派手な看板はない。ただ、その前に積まれた蒸籠が、この店のすべてを語っている。 蒸籠は飾りではない。実際に使うために積み上げられ、常に... -
台中
台中・西区 饕之郷李姐的店についての記録
―― 台中の日常を支えるミシュラン店 ―― 台中・西区。向上路の大通りを歩いていると、路地の奥から蒸気が立ち上っているのが見える。昼でも夜でも、人の流れが一点に吸い寄せられる場所がある。そこが饕之郷李姐的店だ。 大衆食堂にある「日常の鼎泰豊」と... -
街角の記録
バスという街の骨格についての記録
―― MRT の“遅刻”がつくった都市構造 ―― 台湾の公共交通は、長いあいだバスに依存していた。台北の MRT が走り始めたのは1996年。それまでの40年近く、都市の移動を支えていたのはバスだけだった。 結果として、路線は毛細血管のように張り巡らされている。... -
街角の記録
台湾の街角で光るひらがな、「の」についての記録
―― 台湾の看板にひっそりと残る、38番目の文字について ―― 台湾を歩いていると、漢字の海の中に、ぽつんと「の」が浮かんでいることに気づく。 阿明の店媽媽の廚房茶の魔手 日本でも中国でもない場所で、ひらがなの「の」だけが、不思議な居場所を確保して... -
台中
台中・中区 沁園春についての記録
―― 1949年の亡命と、台中に残った上海の影 ―― 台中駅の北側。古い商店が並ぶ中区の一角に、1949年創業の沁園春が静かに構えている。 一見すると、ただの老舗の上海料理店。しかしこの店には、台湾の戦後史がそのまま埋まっている。 ここで小籠包を食べると... -
高雄
高雄・苓雅区 華饌精緻麵食館についての記録
―― 家族の喧騒が調味料になる店 ―― 高雄・苓雅区の大通りから一本入った場所。夕方に近づくと、ここだけ明らかに空気の密度が違う。 店の前には、順番を待つ家族連れ。テイクアウトの袋を受け取りに来る人。何度も出入りする店員たち。 まるで動線が渋滞し... -
高雄
高雄・塩埕区 永和小籠湯包についての記録
―― 路地裏にあるテントの下の美学 ―― MRT鹽埕埔駅を出て、古い商店街を抜ける。小さな寺、古い金物屋、シャッターの錆びた質感。そんな風景の奥に、白いテントと湯気が揺らいでいる。 永和小籠湯包。なぜか日本人に一番知られている高雄の小籠包店である。... -
高雄
高雄・苓雅区 厚得福湯包麵食專賣店についての記録
―― 整っているのに、街の匂いが残っている ―― 高雄・苓雅区の大通り沿いにある。外観を見た瞬間に、「これはきちんとした店だ」とわかる。 改装された外壁、明るい店内照明、縦に伸びる2階建ての構造。典型的なローカル湯包店の、蒸気が漏れ出すような雑多...