喧騒の記録– category –
台湾に点在する市場、夜市の記録。
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喧騒の記録
高雄・左営区 瑞豊夜市についての記録
―― 3度の移転を経て定着した高雄最大の夜市 ―― 高雄で夜市の話をすると、多くの旅行者は六合夜市を思い浮かべる。だが、地元の学生や若者に聞くと、返ってくる答えはだいたい決まっている。 行くなら瑞豊。 瑞豊夜市は、観光用に整えられた場所ではない。... -
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高雄・苓雅区 苓雅自強夜市についての記録
―― 昼は市場、夜は戦場の二重構造 ―― 六合夜市が歩行者天国なら、苓雅自強夜市は今も現役の道路だ。ここでは、車両が主役で、人は脇役になる。 夕方になると、仕事を終えたスクーターが一斉に流れ込んでくる。排気ガスと湯気が混ざり、視界が少し白く曇る... -
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高雄・苓雅区 興中夜市についての記録
―― 百合と臭豆腐の香りが混ざる三多商圏の裏路地 ―― 三多商圏と聞けば、高雄でもっとも洗練されたエリアのひとつだ。SOGOと新光三越が並び、ガラス張りの外壁にブランドロゴが反射する。冷房の効いた館内では、季節外れのコートが整然と並んでいる。 その... -
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高雄・六合夜市の生い立ちについての記録
―― 映画の灯りが消えた後に残ったもの ―― 台湾の夜市を歩いていると、身体が自然に横を向く。人を避け、屋台を避け、湯気を避ける。それが普通だ。 しかし六合夜市では、そうならない。道はまっすぐで、視界が抜けている。屋台の向こうに、空が見える。 な... -
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高雄・左営区 自由黄昏市場についての記録
―― 琥珀色のラッシュアワーに目を覚ます巨大な市場 ―― 午後5時。高雄の空が、ゆっくりと琥珀色に傾いていく。 多くの人が家路を急ぐこの時間に、逆に目を覚ます巨大な場所がある。 自由黄昏市場。太陽が沈み始める頃に、最も活気づく市場だ。 バイクのエン... -
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高雄・三民区 三民市場についての記録
―― 薄暗いアーケードとバイクの川と100年の趣 ―― 南国の強い日差しから逃れるように、黒ずんだアーケードの下へと潜り込む。 視界が一段落ち、気温が少し下がる。三民市場だ。 高い天井。飴色に燻された柱。絶え間なく続く、スクーターの低いエンジン音。 ... -
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台北・中正区 南門市場についての記録
―― 市場というより、デパ地下 ―― 自動ドアが開いた瞬間、汗が引いていく。強烈な冷房、磨かれた床、一定のリズムで動くエスカレーター。 空港のラウンジか、百貨店の地下に入ったような錯覚がある。だが、ここは南門市場だ。 雙連朝市で嗅いだ血の匂いも、... -
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台中・中区 台中第二市場についての記録
―― 貴族市場から観光市場へ ―― 「市場」と聞いて想像する、生臭さや怒号はここにはない。台中第二市場。足元はきれいに舗装され、水たまりもない。 すれ違うのは買い物かごを持った主婦ではなく、スマホを構えた観光客だ。その中に、こちらも混じっている... -
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台北・中山区 濱江市場についての記録
―― 轟音の下にある台北の胃袋 ―― 突然、会話が途切れる。耳を塞ぎたくなるほどの轟音が、真上から落ちてくる。 見上げると、着陸態勢に入った飛行機の腹。思わず足を止めてしまうほど、近い。 ここは濱江市場。台北でいちばん「空に近い」市場であり、同時... -
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台湾・中山区 雙連朝市についての記録
―― 近代的な公園の脇で生き残り続ける理由 ―― 台北MRTの雙連駅で地上に出る。右に進めば、中山エリア。カフェ、雑貨、均整の取れた街路。都市が「見せたい台北」が、そこにはある。 だが、左――民権西路の方へ一歩踏み出すと、空気が変わる。 豚の頭。山積...