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食文化の記録
蚵仔煎(オアチェン)についての記録 | 台湾
―― 台湾の夜市で生まれた、独自の牡蠣オムレツ ―― 台湾の夜市で鉄板の前に立つと、油が跳ねる音が絶えず続く。鉄板の上には小さな牡蠣、溶いた粉、野菜、卵が次々と置かれ、店員の手が止まらない。 台湾南北どこへ行っても見かける料理だが、これは単なる... -
高雄
高雄・新興区 龍門客桟肉燥飯についての記録
―― 高雄の夜に残る、武侠映画の宿屋のような一軒 ―― 美麗島駅と信義國小駅のあいだ。復興一路の通りに、小さな店がひとつある。木枠の看板に「龍門客桟肉燥飯」と書かれている。華やかな観光エリアから少し離れたその場所は、夜の闇に溶け込んでいた。 店... -
高雄
高雄・前金区 前金肉燥飯についての記録
―― 高雄の朝を代表する濃厚な一杯と半熟鴨蛋の名店 ―― 高雄の中心部から少し歩いた場所に、前金肉燥飯がある。看板は控えめで、飾り気のない店構えだ。創業は1959年。派手ではないが、長く地元に根づいてきたことが、その佇まいに静かに表れていた。 開店... -
高雄
高雄・左営区 弘記肉燥飯舖についての記録
―― 高雄で出会う、南部の「肉燥飯」という輪郭 ―― 弘記肉燥飯舖は、高雄の左営エリアに店を構えた比較的新しい小吃店だ。古い屋台を起点にした老舗ではないが、開店から数年で一気に地元で知られる店になった。 ミシュランのビブグルマンに選ばれた年、店... -
街角の記録
セブンがファミマを上回る理由についての記録 | 台湾
―― 似ているが、背後に大きな差がある ―― 台北の通りを歩いていると、赤い看板と緑の看板が交互に目に入る。セブンイレブンは約6800店。ファミリーマートは約4200店。体感としての差と、数字の差はほぼ同じだ。 どちらも明るく、冷房が効き、同じような時... -
街角の記録
マンションの重厚な外観について記録 | 台湾
―― 街を歩きながら、建物の表情を観察する ―― 台湾のマンションは重厚に見える。外壁の厚み、窓の少なさ、影の深さ。同じ地震帯にある日本と比べても、輪郭がはっきりしている。 この重さにはいくつか理由がある。 外壁に使われる石材 台湾のマンションを... -
街角の記録
コンビニ密度についての記録 | 台湾
―― 気候と生活習慣が生んだ高密度の店舗網 ―― 台北では、数百メートルの範囲に複数のコンビニが並ぶ。主要ブランドはセブンと全家。朝も夜も照明が途切れず、通りからすぐに見つかる。 高密度の出店は、台湾の都市構造と気候の影響を強く受けている。 統計... -
台北
台北・大同区 三元号魯肉飯についての記録
―― 圓環の記憶を受け継ぐ古い味 ―― 迪化街の近くまで歩くと、乾物の匂いが風に混じり、古い建物の影が道に落ちる。三元号魯肉飯は、その通りの少し奥にある。 店の前に立つと、たれの香りはあるのに、脂の重さがほとんど漂ってこない。今大や五燈獎のよう... -
台北
台北・中正区 金峰魯肉飯についての記録
―― 市場の熱気とシイタケの香りが混じる一杯 ―― 中正紀念堂の出口を出て南門市場のほうへ歩くと、人の列がゆっくりと伸びている。昼でも夜でも、金峰魯肉飯の前には行列がある。 台湾の大衆食堂で行列ができる光景は少ない。そのため、この列は店の味を保... -
台北
台北・中山区 康荘伝統滷肉飯についての記録
―― チェーン店のようで個人店のような、不思議な安心感 ―― 蒸し暑い吉林路を歩いていると、ふと冷たい空気に足が止まった。外の湿気と熱気が急に遠ざかり、冷たい空気が流れてくる。 康荘伝統滷肉飯は、台北の食堂らしさを残しつつ、冷房がしっかり効いて...