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食文化の記録
魯肉飯・肉燥飯・控肉飯の違いについての記録 | 台湾
―― 台湾を縦に移動すると中身が変わる三つの「肉かけご飯」 ―― 台湾で過ごす時間が長くなるほど、「魯肉飯」と「肉燥飯」と「控肉飯」が、似ているようでまったく違う存在だと気づく。そして、北部と南部を行き来すると、その“呼び名”自体が別の料理を指し... -
食文化の記録
魯肉飯についての記録 | 台湾
―― 魯肉飯という台湾の「日常」 ―― 台湾の町を歩くと、いちばん多く出会う料理は魯肉飯だと思う。観光地でも、路地裏でも、オフィス街でも、形や味は少しずつ違うが、そこに流れる空気はどこも同じだ。魯肉飯は名物ではなく、生活そのものをかたどる料理で... -
台中
台中・東区 天津苟不理湯包についての記録
―― 台中駅裏の朝をつくる湯包 ―― 台中駅の裏側、信義街の細い路地に、朝だけ異様に人の気配が濃くなる一角がある。天津苟不理湯包。 店名は古めかしく、看板も派手ではない。でも、朝5時半になると蒸籠の塔が立ち上がり、湯気が路地に流れ出す。仕事前の人... -
台中
台中・北屯区 立早湯包についての記録
―― 台中でいちばん静かな本気の屋台” ―― 北屯の北平路に滞在していたとき、ここは散歩のついでに寄る店だった。派手な看板もなく、屋台と店のあいだのような佇まい。ただ、蒸籠の湯気だけが目印になっていた。 何度か通ううちに、「ここは普通の屋台ではな... -
台中
台中・西区 葉小籠包について記録
―― 台中・模範街で出会う、主食としての湯包 ―― 模範街の静かな通りに、青い外壁の小さな店がある。看板には「水湳50年老口味」と書かれている。ここは 葉小籠包。水湳市場の屋台から始まり、半世紀以上続く店だ。 通りの雰囲気は今どきのカフェが並ぶ落ち... -
台中
台中・西区 嘉園小上海點心總匯店についての記録
―― 台中の蒸気と、干貝の出汁 ―― 中華路一段を歩いていると、ふいに湯気の匂いが鼻をかすめる。古さの残る外観。派手な看板はない。ただ、その前に積まれた蒸籠が、この店のすべてを語っている。 蒸籠は飾りではない。実際に使うために積み上げられ、常に... -
台中
台中・西区 饕之郷李姐的店についての記録
―― 台中の日常を支えるミシュラン店 ―― 台中・西区。向上路の大通りを歩いていると、路地の奥から蒸気が立ち上っているのが見える。昼でも夜でも、人の流れが一点に吸い寄せられる場所がある。そこが饕之郷李姐的店だ。 大衆食堂にある「日常の鼎泰豊」と... -
街角の記録
バスという街の骨格についての記録 | 台湾
―― MRT の“遅刻”がつくった都市構造 ―― 台湾の公共交通は、長いあいだバスに依存していた。台北の MRT が走り始めたのは1996年。それまでの40年近く、都市の移動を支えていたのはバスだけだった。 結果として、路線は毛細血管のように張り巡らされている。... -
街角の記録
台湾の街角で光るひらがな、「の」についての記録
―― 台湾の看板にひっそりと残る、38番目の文字について ―― 台湾を歩いていると、漢字の海の中に、ぽつんと「の」が浮かんでいることに気づく。 阿明の店媽媽の廚房茶の魔手 日本でも中国でもない場所で、ひらがなの「の」だけが、不思議な居場所を確保して... -
台中
台中・中区 沁園春についての記録
―― 1949年の亡命と、台中に残った上海の影 ―― 台中駅の北側。古い商店が並ぶ中区の一角に、1949年創業の沁園春が静かに構えている。 一見すると、ただの老舗の上海料理店。しかしこの店には、台湾の戦後史がそのまま埋まっている。 ここで小籠包を食べると...