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街角の記録
空路・台北ー高雄線廃止についての記録
―― 新幹線が変えた高雄の重心 ―― かつて、台北と高雄の間には、空のシャトル便があった。 松山から小港へ。朝から夜まで、ほぼ途切れることなく飛んでいた。 中華航空。エバー航空。遠東航空。 搭乗口には、スーツ姿の男たちが並び、その多くは、同じ日の... -
街角の記録
高雄・新興区 新堀江商圏についての記録
―― 高雄の原宿が「新」堀江と呼ばれる理由 ―― 高雄に「新堀江」という地名がある。漢字だけを見ると、中国語としては少し奇妙だ。 「堀江」は、意味を成さない。川でもなく、港でもない。 これは、日本語の「堀江」の音を、そのまま写した言葉だ。 日本統... -
街角の記録
高雄・中央公園についての記録
―― 爆破解体されたスタジアムと世界で最も美しい駅 ―― 現在の高雄中央公園は、見通しがよく、地面の起伏もなだらかだ。芝生の向こうに空があり、人はどの方向からでも出入りできる。 だが、ここは元から開かれた場所ではなかった。2000年代初頭まで、この... -
喧騒の記録
高雄・苓雅区 苓雅自強夜市についての記録
―― 昼は市場、夜は戦場の二重構造 ―― 六合夜市が歩行者天国なら、苓雅自強夜市は今も現役の道路だ。ここでは、車両が主役で、人は脇役になる。 夕方になると、仕事を終えたスクーターが一斉に流れ込んでくる。排気ガスと湯気が混ざり、視界が少し白く曇る... -
喧騒の記録
高雄・苓雅区 興中夜市についての記録
―― 百合と臭豆腐の香りが混ざる三多商圏の裏路地 ―― 三多商圏と聞けば、高雄でもっとも洗練されたエリアのひとつだ。SOGOと新光三越が並び、ガラス張りの外壁にブランドロゴが反射する。冷房の効いた館内では、季節外れのコートが整然と並んでいる。 その... -
喧騒の記録
高雄・六合夜市の生い立ちについての記録
―― 映画の灯りが消えた後に残ったもの ―― 台湾の夜市を歩いていると、身体が自然に横を向く。人を避け、屋台を避け、湯気を避ける。それが普通だ。 しかし六合夜市では、そうならない。道はまっすぐで、視界が抜けている。屋台の向こうに、空が見える。 な... -
食文化の記録
台湾の燙青菜についての記録
―― 罪悪感の帳消しシステム ―― 魯肉飯と肉団子スープを並べる。湯気は立つが、色味はほぼ茶色だ。 ここで多くの人が、同じ行動を取る。「燙青菜」。 燙青菜とは、直訳すれば「湯通しした青菜」だ。野菜を一皿足せば、全体のバランスが取れた気になる。栄養... -
食文化の記録
台湾・豆花屋の招牌についての記録
―― 原味という名の看板メニュー ―― 台湾の豆花屋に入る。メニューの最上段に、招牌の印が付いている。 原味豆花。 原点であり、看板。これ以上の正解はないと考え、注文する。 運ばれてきた丼を見て、手が止まる。白い豆腐。茶色い糖水。以上。 タピオカは... -
食文化の記録
台湾食堂の招牌についての記録
―― 迷える者の羅針盤 ―― 台湾のローカル食堂に入る。壁一面に、赤い短冊が並んでいる。 乾麺。湯麺。麻醤麺。餛飩麺。 どれも読める。だが、どれを選ぶべきかは分からない。 この場にいるのは、店の歴史を知らない旅行者だ。 どの料理が回っているのか。ど... -
食文化の記録
台湾の三色豆花についての記録
―― 大豆を捨てプリンになったテセウスの豆花 ―― 台湾の夜市で「豆花」の看板を見つけ、何気なく注文する。 出てきた器を見て、少し戸惑う。 白い豆腐はない。代わりに、黄色、茶色、白。三色に分かれた、ぷるぷるした物体が並んでいる。 ひと口食べてみる...