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食文化の記録
豆乳の地政学について記録|台湾
―― 大豆を作らない島が「豆漿帝国」になった理由 ―― 台湾の朝は、豆乳の匂いでゆっくり動き出す。外帯袋の温度、紙コップの薄い湯気。ただ、その味を支える大豆は、台湾の土地では育っていない。豆乳が日常の中心にあるにもかかわらず、原料の多くはアメリ... -
ハブ記事
台湾・とある早餐店(朝食屋)の景色についての記録
―― 朝は選択肢が多すぎる ―― まだ日が高くなる前の高雄・塩埕区を歩く。港に近いこの一帯は、朝の立ち上がりが早い。市場に向かう人、仕事前に何か腹に入れようとする人、バイクのエンジン音。 通りに面した開放的な朝食屋がある。壁はなく、屋根と鉄板と... -
片隅の独り言
台湾の夜市にある炒飯屋台は当たり説を唱えてみる
―― 夜市の炒飯屋は「生存者バイアス」の塊である ―― 台湾の夜市を歩いていると、炒飯の屋台がときどき視界に入る。夜市の主役は、タピオカ、鶏排、サイコロステーキのような効率化された商材だ。半製品とマニュアルで回り、誰が扱っても一定の味になる。 ... -
街角の記録
台湾の炒飯の当たり外れについての記録
―― 蓬莱米の粘り気と火力の揺らぎ ―― 台湾ではよく炒飯を頼んでいた。ただ、タイに行くようになってから、その頻度は自然と減っていった。理由は単純で、台湾の炒飯は外れやすい。一方、バンコクの食堂で出る炒飯は、どこで頼んでも一定の水準に収まる。 ... -
街角の記録
どこの夜市でも屋台が似通っている理由についての記録|台湾
―― 似通った夜市が生まれる理由 ―― 夜市を歩くと、既視感がつきまとう。士林夜市で見かけたサイコロステーキが、高雄の六合夜市でも同じ音を立てている。黒糖タピオカも、巨大フライドチキンも、看板の色と書体までほとんど変わらない。 自由に見える屋台... -
街角の記録
台湾の食堂が軒先に厨房を構える理由についての記録
―― 台湾の街並みを形作るあいまいな境界 ―― 台湾の街を歩くと、食堂の厨房が店内ではなく軒先に張り出していることに気づく。火柱を上げる中華鍋、茹で釜の湯気、まな板の乾いた音。店外にすべてが露出している。 観光ガイドは「活気があるから」と書くが... -
街角の記録
台湾の食堂が月曜日に休む理由についての記録
―― 都市の休日と、鮮度が決めるサイクル ―― 台北の昼下がり。普段は湯気と人声が溢れるはずの食堂が、シャッターを半分下ろしている。貼り紙には「星期一公休」。 この「月曜休み」という習慣は、チェーン店ではなく家族経営の店ほど顕著だ。週末の熱量が... -
台北
台北・中正区 黄龍荘についての記録|菜肉餃
―― 牯嶺街に溶け込む、菜肉餃という完成形 ―― 中正紀念堂から南へ歩き、南門市場の方へ向かう。大通りから一歩だけ外れると、音の粒が細かくなるような感覚がある。牯嶺街。かつて古本屋が並んだ通り。その静けさの中に、黄龍荘はある。 看板には小籠包の... -
台北
台北・松山区 冠京華についての記録|小籠包
―― 南京東路の裏側、朝から動く熱源 ―― 南京東路のオフィス街を背にして、一本路地へ入る。車の流れが途切れ、歩く速度が自然と落ちるあたりで、白い蒸気が見えてくる。 黄色い看板。その下に積み上げられた蒸籠の塔。遠目には料理店というより、熱を発生... -
台北
台北・中山区 八方雲集 復北店についての記事|鍋貼
―― ビジネス街に溶け込む「日常の餃子屋」 ―― 昼前に復興北路を歩くと、黄色い看板が静かに視界へ入ってくる。八方雲集の復北店だ。台湾ではどこにでもある店だが、ここは周囲の空気とよく馴染んでいる。 八方雲集の主力は鍋貼。細長く、片面だけを強く焼...