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マレーシア
マレーシアのナシカンダーについての記録
―― 労働者の皿から始まったマレーシアの国民食 ―― KLの街で食事を探していると、ときどき強い匂いにぶつかる。 油の匂い。スパイスの焦げた匂い。甘さと辛さが混ざった、重たい匂い。 その匂いの中心に、ナシカンダーがあることが多い。料理としての輪郭は... -
マレーシア
KLCC・Restoran Nasi Kandar Pelitaについての記録
―― ツインタワーの足元で、夜とカレーが混ざり合う ―― 顔を上げると、クアラルンプールのツインタワーが光っている。ガラスと鉄でできた、近未来的な風景だ。 そのまま視線を下に落とす。そこには、油とスパイスの匂いが充満する半屋外の巨大食堂がある。 ... -
片隅の独り言
紅茶豆漿という朝の魔力について考えてみる
―― 甘さに勝てない朝もある ―― 朝食屋のレジ前に立つ。順番はもうすぐだ。口の中では、いつもの注文が出来上がっている。 「冰豆漿、半糖。」 特に迷う理由はない。それが最適解であることも、身体が欲している量も、もう分かっている。 しかし、壁のメニ... -
食文化の記録
台湾・甜豆漿という朝の定番についての記録
―― 台湾の朝が甘く始まる理由 ―― カウンターの奥で、白い液体が大きな鍋に満ちている。鉄板の上では蛋餅(ダンビン)の生地が音を立て、揚げ油の匂いが店の外まで漏れている。 客は入ってくるなり、何も考えずに注文する。豆漿ひとつ、と。 注文すれば出て... -
食文化の記録
台湾の燒餅油條についての記録
―― 朝を支える炭水化物ペア ―― 夜が完全に明ける前から、路地の一角が動き始める。 鉄板の上で生地が焼かれ、油鍋では細長い生地がゆっくりと膨らんでいく。油がはぜる音がして、白い湯気が立ち上がる。 通勤途中の人が立ち止まり、新聞を小脇に抱えたまま... -
食文化の記録
台湾の三明治についての記録
―― 甘さで再設計された台湾の朝食サンドイッチ ―― 台湾の朝食屋のカウンターに並ぶ三明治は、一見すると日本のそれと区別がつかない。耳を落とした食パン。ハム。きゅうり。薄焼き卵。喫茶店やコンビニで見慣れた構成だ。 しかし、ひと口かじった瞬間に脳... -
食文化の記録
肉鬆(ロウソン)|台湾の朝に潜む「茶色い綿」の正体
―― 台湾の朝に潜む「茶色い綿」の正体 ―― 台湾の朝食屋やパン屋で、初めてこれを目にした旅行者は、ほぼ例外なく戸惑う。茶色く、繊維質で、ふわふわしている。皿の上ではなく、米やパンの上に振りかけられているその姿は、正直に言えば食欲を刺激する見た... -
食文化の記録
台湾の飯糰(ファントゥアン)についての記録
―― 台湾の朝を支える「高密度エネルギー体」 ―― 日本のおにぎりとは異なる「密度」 台湾の朝食屋で売られる飯糰は、日本のおにぎりと似た形をしているが、思想がまったく違う。 最大の違いは米だ。日本のおにぎりが「うるち米」であるのに対し、飯糰は糯米... -
食文化の記録
鹹豆漿 × 油條、台湾の朝の最強のふたつについての記録
―― 台湾の朝に生まれる「化学反応」 ―― 台湾の朝食屋で、最も理解されにくい料理がある。それが「鹹豆漿(シェンドウジャン)」だ。 文字通り訳せば、塩味の豆乳。だが、実物は単なるスープではない。 熱々の豆乳に、少量の酢(白酢や黒酢)を加える。する... -
食文化の記録
台湾の燒餅についての記録
―― 台湾の朝を支える小麦の層 ―― 台湾の朝食屋で、ひときわ存在感を放つのが燒餅(シャオビン)だ。薄く、丸く、表面には胡麻をまとった小麦の焼き物。見た目は素朴だが、手に取ると軽く、割ると層がはらりと剥がれる。このパンは、台湾の朝食における「構...