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街角の記録
台中の生い立ちについての記録
―― 自然にできなかった街 ―― 台中を歩くたびに思う。この街には、台南のような「海が削って作った歴史」も、台北のような「山に囲まれた要塞」もない。にもかかわらず、道路は妙に広く、区画は妙に整っていて、どこか人工的な匂いがする。 台中とは、台湾... -
食文化の記録
台湾の麺線屋が成り立つ仕組みについての記録
―― なぜ蚵仔煎も一緒に売っているのか ―― 台北を歩けば、麺線屋の横には高確率で鉄板がある。そしてその上では、牡蠣が跳ね、卵が広がり、片栗粉の生地が揺れている。 麺線といえば立ち食い、片手ですする軽食。蚵仔煎(オアチェン/牡蠣オムレツ)は油と... -
片隅の独り言
台湾人は本当にマンゴーが好きなのか疑ってみる
―― 「台湾=マンゴー天国」という刷り込み ―― 台湾に来ると、どうしてもマンゴーに意識が向く。夏のSNSは巨大なマンゴーかき氷だらけで、旅行者はそれを季節の義務のように食べる。 いつしか「台湾人もきっとマンゴーが大好きなんだ」と思い込んでいた。し... -
食文化の記録
鴛鴦茶(ユンヨンチャ)についての記録 | 台湾
―― 香港発祥のオシドリ夫婦という「物語」 ―― 香港の茶餐廳で出てくる混ぜ飲料、鴛鴦茶(ユンヨンチャ)。紅茶とコーヒーを混ぜ、コンデンスミルクでまとめた甘い飲み物だ。 名前の「鴛鴦(ユンヨン)」は仲むつまじいオシドリ夫婦。東洋と西洋が寄り添う... -
片隅の独り言
台北-基隆の緊迫感を日本にあてはめて考えてみる
―― 台北に瀬戸内海は存在しない ―― 基隆に向かう列車を待つ間、地図を眺めていて気づいた。台北という都市には、日本でいうところの瀬戸内海に相当する地形がない。外力を弱め、時間を稼ぐ巨大な内海のクッション。それが、台北にはほとんど存在しない。 ... -
街角の記録
北東アジア ゴールデンフライトサークルについての記録 | 台湾
―― 台北が空路でつなぐ「半径3時間」の都市圏 ―― 松山空港の出発ゲートで、羽田・金浦・虹橋の文字を目で追う。いずれも都心に近すぎる空港。そして、どれも片道3時間以内。 台北は、北東アジアの真ん中にある。まるで、東京・ソウル・上海という巨大都市... -
街角の記録
松山空港についての記録 | 台湾
―― 台北の中に残された空白地帯 ―― 台北を北東へ走ると、突然視界が開ける。高層ビルの連続が途切れ、滑走路が横に長く伸びている。 台北松山空港。街の密度が極端に高い台北にあって、この広大な空白地帯は明らかに異物だ。 それでも空港がここにあるのは... -
旅の支度
選択肢が少ないから Expedia を使うという選択
―― 選ばないことで、旅は軽くなる ―― 旅の主役は、街と食だ。どれだけ素敵な部屋に泊まっても、その記憶は皿一枚に負ける。 宿に求める条件は、ほんの少しでいい。・清潔である(虫が出ない)・湯がちゃんと出る・駅や市場に近い これだけで、旅は成立する... -
食文化の記録
蒸し餃子(蒸餃)についての記録 | 台湾
―― 「静かな主食」。油と湯のあいだにある第三の餃子 ―― 台湾の餃子文化を語るとき、中心にいるのは水餃子だ。その影で香ばしさを演じるのが鍋貼(焼き餃子)。 では蒸し餃子(蒸餃)はどこにいるのか。 答えは、街角の静かな常連である。主張は弱いが、蒸... -
食文化の記録
焼き餃子(煎餃/鍋貼)についての記録 | 台湾
―― 台湾の餃子文化の中での少数派 ―― 台湾の餃子文化を一言でまとめるなら、「主食は水餃子」である。 その大前提の中で、焼き餃子(煎餃/鍋貼)は、日本とはまったく違うポジションに立たされている。 日本人が「餃子=焼き餃子」と考えるのに対し、台湾...