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食文化の記録
水餃子(水餃)についての記録 | 台湾
―― 日本人最大の誤解。水餃子という主食 ―― 台湾で初めて食堂に入り、「水餃子と白飯」を頼む日本人は少なくない。だが店員は、少し困った表情を浮かべるだろう。 水餃子はおかずではない。それ自体が炭水化物であり、タンパク質と野菜を内部に抱えた完全... -
街角の記録
台南 鯤鯓(クンシェン)の謎についての記録
―― 消えた「7頭のクジラ」と、オランダ支配を終わらせた泥 ―― 台南を歩いていると、「鯤鯓(クンシェン)」という地名に出会う。海から離れた陸地に、なぜ「クジラの背中」という字が残るのか。 理由は単純で、ここはもともと海だった。17世紀、台南の沖合... -
街角の記録
台南 消えたラグーンと古都についての記録
―― 海が陸になり、港が街になった場所 ―― 台南の街を歩くと、不思議な感覚にとらわれる。古いものがそのまま残っているようでいて、しかし地図を見ると、街の輪郭は妙に海から遠い。 静かな路地、赤レンガの廟、乾いた風。ここは確かに「古都」なのに、海... -
街角の記録
高雄・旗津(チージン) 高雄港の原点についての記録
―― 港を守る「天然の防波堤」 ―― 高雄港が天然の良港と呼ばれる理由は、地図を見ると一目で分かる。沖に向かって細長く伸びる砂州──旗津(チージン)。 この一本の砂の壁が、台風や台湾海峡の荒波を正面から受け止め、内側に鏡のような静水域を生み出して... -
街角の記録
高雄生い立ち。造られた街についての記録
―― 湿地を削り、海を深くし、船を呼び込んだ港の物語 ―― 海沿いを歩くと、どこか人工的な静けさがある。倉庫、クレーン、運河。どれも人間の意図が詰まりすぎていて、自然発生した街とは違う気配がある。 高雄は、最初から輸出のために設計された港町だ。 ... -
街角の記録
雨の要塞・基隆についての記録 | 台湾
―― 北の端に置かれた、雨に濡れる前線基地 ―― 台湾最北端の港町・基隆(キールン)は、台北とは別の島のように雨が多い。冬の北東季節風が山にぶつかり、雲が留まり、雨が途切れない。年降水量は台北の倍以上になることもある。 傘をさすか、あきらめて濡... -
街角の記録
台北の始まり。要塞都市の影についての記録
―― 川と城壁がつくった、守るための首都 ―― 台北駅のまわりを歩くと、街は平坦に広がっているように見える。けれど、この都市は最初から「暮らすため」に選ばれたわけではない。台北は、防衛と統治を目的として形づくられた。街の明るさの奥に、かすかな緊... -
街角の記録
騎楼(チーロウ/亭仔脚)についての記録 | 台湾
―― 騎楼という、街に連続する日陰 ―― 歩いていると、ふと気づく。台湾の商店街には、どこまでも「日陰」が続いている。建物の1階が奥へ引っ込み、その前に屋根のような通路が伸びていく。騎楼(チーロウ/亭仔脚)。雨と陽射しの強いこの島では、ごく当た... -
下書き・未整理
台湾南部の気候 完全なる熱帯についての記録
―― 太陽と乾季がつくる長い夏の島 ―― 台湾のちょうど真ん中、北回帰線をまたぐと、空気が変わる。嘉義を過ぎて台南に入ったあたりで、車窓の日差しが急に強くなるあの瞬間。 ここから南は熱帯になる。 台南・高雄・屏東。北部のような冬は存在しない。1月... -
食文化の記録
虱目魚(サバヒー)という魚についての記録 | 台湾
―― 台湾の日常を支える、知られざる「国民魚」 ―― 台湾を散歩していると、「虱目魚(サバヒー)」という文字をやたらと見かける。看板にも、朝食にも、麵線にも、白湯スープにも──。しかし、観光で台湾を訪れる人の多くは、この魚が何者なのか、実はよく知...