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食文化の記録
台湾の永和豆漿についての記録
―― 地名がブランドになった朝食屋 ―― 台北の街を歩いていると、何度も同じ看板に出会う。 赤地に白い文字。永和豆漿大王。 角を曲がっても、また現れる。数百メートル歩けば、もう一軒ある。 最初はチェーン店だと思う。だが、よく見ると様子が違う。 店構... -
食文化の記録
台湾・鼎泰豊を愛したセレブについての記録
―― トム・クルーズ、革ジャン、そして「要塞」 ―― 世界には、予約が取れない三つ星レストランがいくつもある。名前を聞くだけで緊張する店も多い。 一方で、ハリウッドスターや各国の首脳、IT企業のトップが、一般客に混じって並ぶチェーン店は、ほとんど... -
食文化の記録
台湾・鼎泰豊の世界展開についての記録
―― ミシュラン、トム・クルーズ、そしてハラルの小籠包 ―― 通常、ミシュランの星を獲得した店は、慎重になる。席数を増やさず、支店も出さず、職人の手の届く範囲に留まる。それが、美食の世界の常識とされてきた。 鼎泰豊は、その常識から外れている。 20... -
食文化の記録
台湾の小麦と米についての記録
―― 米国の小麦、沈殿する米と芋 ―― 台北の通りに立つ。 右手には、魯肉飯(ルーローファン)の鍋から湯気が立ち上っている。左手には、牛肉麺(ニョウロウミェン)の香りが流れてくる。 水餃子を頬張る人の隣で、弁当の白米を掻き込む人がいる。 どちらも... -
食文化の記録
台湾・1949年の大撤退についての記録
―― 海を渡った200万人の胃袋と食文化 ―― 1949年、中国大陸で国共内戦が終結した。国民党政府は敗北し、台湾へと撤退する。 それは政治体制の移動だったが、同時に、生活そのものの移動でもあった。 人が動くとき、制度だけでなく、日常の習慣、記憶、味覚... -
食文化の記録
台湾の灌湯包についての記録
―― SNSで蘇った北宋がルーツの飲む小籠包 ―― 台北の淡水や士林夜市、あるいは上海の豫園で、奇妙な光景を目にすることがある。観光客たちが、拳ほどもある巨大な肉まんのようなものに、ストローを突き刺して吸っている。 名前は湯包(タンバオ)、あるいは... -
食文化の記録
台湾・小籠包のニューウェーブについての記録
―― 色彩、茶葉、そして19のひだ ―― 小籠包は台湾で進化し、世界に広まった。その動きをけん引したのは鼎泰豊だ。 ロサンゼルスでも、ロンドンでも、シンガポールでも。鼎泰豊の看板があれば、蒸籠が積まれ、同じような小籠包が出てくる。国が変わっても、... -
食文化の記録
シンガポール・パラダイスダイナスティについての記録
―― マカロンになった小籠包 ―― 2010年、小籠包界に小さな事件が起きたと言われる。蒸籠を開けると、白いはずの小籠包が白ではなかった。 赤、緑、黒、黄色。湯気の中に、菓子のような色が混ざる。それは点心というより、見た目だけなら詰め合わせのようだ... -
食文化の記録
台湾・豚肉を使わない小籠包についての記録
―― ハラル小籠包への挑戦 ―― 小籠包は、すでに世界中に広がっている。ロンドンでも、ロサンゼルスでも、シンガポールでも、蒸籠の湯気は見つかる。 ただ、世界に広がるほど、避けられない問題が残る。ハラルである。 マレーシアやドバイの街では、今も普通... -
食文化の記録
台湾・小籠包 国際化の影の主役についての記録
―― ハイテク巨人「奇美(チーメイ)」 ―― 台湾の小籠包を世界に広めたのは、言うまでもなく鼎泰豊だ。ロサンゼルスでも、ロンドンでも、シンガポールでも、同じ看板があり、同じ蒸籠が積まれる。 ただ、もう一人の主役がいる。目立たないが、数の世界で勝...