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食文化の記録
台湾の朝食が「何でもあり」な理由についての記録
―― 混沌を支える「鉄板一枚」の合理性 ―― 朝の台湾で、よくある光景がある。小さな朝食屋に入り、蛋餅(ダンピン)と飯糰(ファントァン)を頼む。鉄板の上で卵が割られ、生地が流され、隣では油條が温め直されている。 ふと顔を上げると、壁のメニューが... -
マレーシア
マレーシアのテ・タリについての記録
―― 「引く」が鍵の紐国民的飲料 ―― Teh Tarik(テ・タリ)は、マレーシアの食堂で最もよく見かける飲み物のひとつだ。紅茶に練乳を入れ、泡が立つまで「引いて」混ぜる。 透明なグラスに注がれた茶色い液体。表面に、薄い泡の層が残る。 甘いが、妙に重く... -
マレーシア
KL Sentral・Original Penang Kayuについての記録
―― ナシカンダーとテ・タリで体を切り替える場所 ―― 空港特急(KLIAエクスプレス)でKLセントラル駅に着く。車内は冷えていて、会話も少ない。窓の外だけが速く動く。 改札を抜け、モール「NU Sentral」に入った瞬間、空気が変わる。冷えた金属の匂いが薄... -
高雄
高雄・左営区 芒果好忙についての記録
―― マンゴーの城と、冬に現れるイチゴの要塞 ―― 店の名前は芒果好忙。 直訳すれば「マンゴーは忙しい」。だが、12月から3月にかけてここを訪れると、マンゴーは驚くほど静かだ。 代わりに店を占拠しているのは、真っ赤なイチゴである。 この店は、夏はマン... -
食文化の記録
台湾・マンゴーかき氷の過去と現在についての記録
―― Ice Monster から始まった伝説 ―― 日本の夏祭りで見かける、透明な氷に色付きのシロップをかけたもの。あの記憶を携えたまま台湾で「マンゴーかき氷」を前にすると、思考が一瞬止まる。 そこにあるのは、涼をとるための氷菓ではない。丼から溢れ出す、... -
食文化の記録
台湾・マンゴーの首都 玉井についての記録
―― アーウィン種から愛文へ ―― 台湾でマンゴーの話をすると、話題は自然と玉井に収束する。産地というより、首都。そう呼ばれる理由が、この町にはある。 玉井の青果市場に足を踏み入れると、まず量に圧倒される。体育館のような屋根の下、視界の端から端... -
街角の記録
台湾・YouBike 1.0 vs 2.0についての記録
―― オレンジから白へ、静かな革新 ―― 台北の街を歩いていると、二種類の自転車が視界に入る。オレンジ色の古い車体と、白と黄色の新しい車体。 多くの人にとっては、単なるデザインの違いだろう。古いのが残っていて、新しいのに置き換わっていく。その程... -
街角の記録
台湾にYouBikeは何台あるのか推計してみる
―― いくつかの前提を置きながら ―― 駅前の朝食屋で、豆乳を飲んでいる。まだ完全に目が覚めきらない時間帯だ。 目の前を、YouBikeに乗った人たちが次々に通り過ぎていく。スーツの人もいる。バックパックの学生もいる。 信号が変わるたびに、数台ずつ流れ... -
街角の記録
台湾・YouBikeの最適配置についての記録
―― 偶然ではない「いつでも乗れる」 ―― 台北でも高雄でも、歩いていると同じ光景に何度も出会う。曲がり角の先、公園の入口、駅前の余白。そこに黄色と白の自転車が並んでいる。 不思議なのは、数ではない。「乗れない」場面に、ほとんど遭遇しないことだ... -
喧騒の記録
高雄・左営区 瑞豊夜市についての記録
―― 3度の移転を経て定着した高雄最大の夜市 ―― 高雄で夜市の話をすると、多くの旅行者は六合夜市を思い浮かべる。だが、地元の学生や若者に聞くと、返ってくる答えはだいたい決まっている。 行くなら瑞豊。 瑞豊夜市は、観光用に整えられた場所ではない。...