―― 高雄・熱河街の朝にある、小さな湯気の専門店 ――
高雄の三民区、熱河一街を歩くと、
朝の空気が少しだけにぎやかになる場所がある。
通勤のバイクが通りすぎ、
豆漿店の客が袋を片手に歩いていく。
ここは観光地ではない。
ただの生活の風景だ。
でも、その雑多さがどこか心地よい。
その一角に、
富錦饗小籠湯包 がある。
朝6時から昼までしか開かない、
完全に「朝のための店」だ。
朝の高雄にある湯気の店
この店の前に立つと、
熱を帯びた空気がすっと顔に触れる。
蒸籠を開けるたびに立ち上る湯気。
その白さだけで、
「ああ、高雄の朝だな」と思う。
高雄は暑い街だ。
日が高くなると一気に気温が上がる。
だからこそ、
朝の少し涼しい時間帯に、
熱々の湯包で体を起こす習慣があるのだろう。
ここは観光向けではなく、
生活のリズムに溶け込んだ店 だ。
じわっと多い肉汁
肉汁は、
皮の中から噴き出すほどではない。
だけど、一口かじると
じんわり広がる肉汁の量が多い。
高雄には、
この “多すぎないけど多い” 店が本当に多い気がする。
たとえば、
高雄の朝は湿気が強くて汗をかきやすい。
そんな身体には、
乾いた点心より、じんわり水分を含んだ湯包が
ちょうどいいのかもしれない。
これはもう、
気候が生んだスタイル と言っていい。
7個入りのちょうどよさ
この店の湯包は、
7個入りで提供される。
この「7」という数字が妙に良い。
10個だと重い。
6個だと少し足りない。
7個だと、朝食としてぴったりなのだ。
価格も65〜80元前後で、
気取らないローカルの食卓そのもの。
高雄の朝の空気の中で食べると、
それだけで価値がある。
特製の「辛い醤油」で味が締まる
富錦饗小籠湯包の面白いところは、
店頭に置かれた特製のピリ辛ダレだ。
甘めの肉汁に、
唐辛子の辛さが加わると、
味が急に締まる。
朝のぼんやりした頭も、
ここで一気に起きる。
台湾の朝食店のタレ文化は奥が深い。
どれも「味変」ではなく、
料理の完成形を作るための最後の工程 なんだろう。
高雄駅から少し離れた「生活の街」
場所は高雄駅の裏側から少し歩いたあたり、
熱河街というローカルな通り沿い。
バイクで乗り付けた客が、
ヘルメットも外さずにさっと買っていく。
観光客の気配はほとんどなく、
通勤途中の人たちが淡々と湯包を手にしていく。
タイミングよく蒸籠が上がり、客が入れ替わる。
それを一度見ただけで、この店が朝の街に根づいているのが分かる。
派手さはないが、続いていく味だと思った。
住所: 807高雄市三民區熱河一街327號
営業時間: 06:00 – 14:00 (月曜定休)
アクセス: 高雄駅(北口)またはMRT後驛駅から徒歩約10分。美食店が並ぶ熱河一街沿い。
地図: https://maps.app.goo.gl/xbHtj2ERtAVLTAcBA
朝早くから営業しているローカル店。7個入りのサイズ感が朝食に丁度いい。ピリ辛のタレを少しかけて食べるのがおすすめ。
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