食文化の記録– category –
台湾の料理はおいしい。とてもおいしい。
街や人の歴史ともかなり近いところにある。
牛肉麺の由来。
弁当文化が根づいた背景。
なぜあの料理がこの土地に残っているのか。
ここでは台湾の食文化や背景を少しだけ掘り下げてみる。
料理をひとつの入り口にして、
街の層を覗いているような感覚に近い。
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食文化の記録
台湾の汁なし牛肉麺についての記録
―― 黒いタレの海で、麺だけが生き残る ―― 運ばれてきた丼には、スープがない。あるのは、底に沈んだ少量の黒いタレと、湯気を上げる麺、そしてゴロリとした肉塊だけ。 牛肉乾拌麺(ニュウロウ ガンバンミェン)。一般的な牛肉麺(湯麺)が「スープ料理」だ... -
食文化の記録
台湾のトマト牛肉麺についての記録
―― コンテストが生んだ第三の極 ―― 台北の牛肉麺を歩いていると、ときどき赤い丼に出会う。紅焼でも清燉でもない。透明でも茶色でもない。トマトの色が、そのまま湯気の中に残っている。 牛肉麺は台湾の日常に溶けている料理だが、同時に、変化の痕跡も残... -
食文化の記録
台湾・牛肉麺の闘技場についての記録
―― 「台北牛肉麺節」の熱狂と日常の静けさ ―― 台北には「台北國際牛肉麵節(台北国際ビーフヌードルフェスティバル)」がある。場所はMRT淡水信義線の「円山駅」そばの円山花博公園。 毎年、春先に大きな広場を占拠するように設営されるテント群。屋台の列... -
食文化の記録
台湾・夜市にある度小月についての記録
―― ブランドの普通名称化と商魂 ―― 夜市を歩いていると、一瞬、視線が止まる。 派手な電飾や、叫ぶような看板の列の中に、見覚えのある3文字が混じっている。 度小月。 度小月と書かれたその文字は、老舗の店先で見たものと、同じ形をしている。 だが、周... -
食文化の記録
台湾・度小月の担仔麺についての記録
―― 1895年から続く台南発のブランド ―― 台南の中心部を歩いていると、古い建物が連なる通りの一角に、赤い提灯が下がっている。 大きく主張するわけではない。だが、他の店より少しだけ背筋が伸びているように見える。 白壁と木製の扉。入口は広く、通りか... -
食文化の記録
台南で生まれた担仔麺についての記録
―― 引き算から生まれた小さな椀 ―― 担仔麺は、小さな椀で供される麺料理である。 細い麺に、少量の肉燥(豚そぼろ)、海老が一尾。透明感のあるスープは、豚骨ではなく海老の頭から取られている。 量は少ない。腹を満たすための料理ではない。 一口目で終... -
食文化の記録
台湾・新竹での貢丸作りについての記録
―― 新竹の風と、黒い斑点 ―― 新竹の城隍廟の周辺を歩くと、屋台や食堂の並び方に、ある種の規則性があることに気づく。 新竹米粉。そして、その隣に貢丸湯。 観光客向けの「名物セット」として説明されることが多いが、この二つが並ぶ理由は、単なる語呂合... -
食文化の記録
台湾・葱油餅 vs 蛋餅についての記録
―― 旅行者を惑わす、小麦と卵とネギ ―― 台北や台中の朝食屋に入ると、壁のメニューに二つの似た言葉が並んでいる。葱油餅と、蛋餅。どちらも小麦粉が使われ、卵が入り、刻んだネギが散らされている。見た目も名前も近いため、旅行者の多くはこれを同じ料理... -
食文化の記録
台湾・葱油餅 vs 葱抓餅についての記録
―― 同じDNAが生んだ食感の静と動 ―― 台湾の屋台の前に立つと、似た二つの言葉が並んでいることがある。葱油餅と、葱抓餅。 どちらも小麦粉を練り、ネギを入れ、油で焼いたものだ。材料はほぼ同じに見える。それでも、屋台はこの二つを別の名前で呼び分けて... -
食文化の記録
台湾の葱油餅についての記録
―― お好み焼きのような一枚 ―― 台湾の街角では、鉄板の上でヘラが生地を叩く「パン、パン」という音が頻繁に聞かれる。 同時に、ラードとネギが焦げる匂いが、路地の空気に混じっていく。 葱油餅(葱抓餅)とは何かと問われれば、小麦粉、水、ネギ、塩、油...