食文化の記録– category –
台湾の料理はおいしい。とてもおいしい。
街や人の歴史ともかなり近いところにある。
牛肉麺の由来。
弁当文化が根づいた背景。
なぜあの料理がこの土地に残っているのか。
ここでは台湾の食文化や背景を少しだけ掘り下げてみる。
料理をひとつの入り口にして、
街の層を覗いているような感覚に近い。
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食文化の記録
台湾の蛋餅についての記録
―― 大陸がルーツの薄焼き卵 ―― 台湾の朝食屋で最もよく見かけるのが、鉄板の上で静かに広がる薄い円だ。卵を落とし、折りたたみ、包丁の背で軽く叩く。その一連の動きから生まれる料理が、蛋餅(ダンピン)である。 台湾の朝を象徴する食べ物だが、その成... -
食文化の記録
豆乳の地政学について記録|台湾
―― 大豆を作らない島が「豆漿帝国」になった理由 ―― 台湾の朝は、豆乳の匂いでゆっくり動き出す。外帯袋の温度、紙コップの薄い湯気。ただ、その味を支える大豆は、台湾の土地では育っていない。豆乳が日常の中心にあるにもかかわらず、原料の多くはアメリ... -
食文化の記録
台湾・とある早餐店(朝食屋)の景色についての記録
―― 朝は選択肢が多すぎる ―― まだ日が高くなる前の高雄・塩埕区を歩く。港に近いこの一帯は、朝の立ち上がりが早い。市場に向かう人、仕事前に何か腹に入れようとする人、バイクのエンジン音。 通りに面した開放的な朝食屋がある。壁はなく、屋根と鉄板と... -
食文化の記録
台湾・魯肉飯についての記録(一覧)
—— 都市別・訪問済み店舗インデックス ―― 台湾の街を歩いていて、この料理を避けることはほぼ不可能だ。魯肉飯(ルーローファン)。茶色い丼の中に、ごく短いスパンで台湾の生活圏が凝縮されている。 しかし、その実態は一枚岩ではない。南部の甘い系統、... -
食文化の記録
台湾・蚵仔煎についての記録(一覧)
—— 都市別・訪問済み店舗インデックス ―― 台湾夜市の象徴とも言える一皿、蚵仔煎(オアチェン)。ぷるぷるの地瓜粉、鉄板で焼ける卵、甘いソース。しかし、その実態は地域ごと・店ごとにまったく別物で、単一の「標準形」は存在しない。 本記事は、訪問し... -
食文化の記録
台湾・蚵仔煎の起源と歴史についての記録
―― 1661年、オランダ包囲戦が生んだサバイバル食 ―― 台湾の夜市でひときわ目立つ鉄板料理。牡蠣、卵、青菜、そしてモチモチのデンプン生地。それが「蚵仔煎(オアチェン)」だ。 だがこの料理には、夜市グルメという今の姿からは想像できないほど古くて重... -
食文化の記録
台湾・小籠包についての記録(一覧)
—— 都市別・訪問済み店舗インデックス ―― 台湾の点心といえば小籠包。しかし、この料理は一枚岩ではない。極薄の皮でスープを封じた芸術品のような「湯包」もあれば、朝食屋で頬張るパンのような「小肉包」もある。 本記事は、訪問した台湾全土の小籠包店... -
食文化の記録
台湾の牛肉麺についての記録
―― 歴史が作った紅焼と清燉 ―― 台湾の街に入ると、独特の匂いがする。八角の甘さ、醤油の焦げた香り、そして牛脂の重たい気配。 それは屋台の前だけに漂っているのではない。住宅街の食堂の入口にも、昼の市場の裏手にも、夜の交差点の隅にもある。 その匂... -
食文化の記録
台湾の麺線屋が成り立つ仕組みについての記録
―― なぜ蚵仔煎も一緒に売っているのか ―― 台北を歩けば、麺線屋の横には高確率で鉄板がある。そしてその上では、牡蠣が跳ね、卵が広がり、片栗粉の生地が揺れている。 麺線といえば立ち食い、片手ですする軽食。蚵仔煎(オアチェン/牡蠣オムレツ)は油と... -
食文化の記録
鴛鴦茶(ユンヨンチャ)についての記録 | 台湾
―― 香港発祥のオシドリ夫婦という「物語」 ―― 香港の茶餐廳で出てくる混ぜ飲料、鴛鴦茶(ユンヨンチャ)。紅茶とコーヒーを混ぜ、コンデンスミルクでまとめた甘い飲み物だ。 名前の「鴛鴦(ユンヨン)」は仲むつまじいオシドリ夫婦。東洋と西洋が寄り添う...