食文化の記録– category –
台湾の料理はおいしい。とてもおいしい。
街や人の歴史ともかなり近いところにある。
牛肉麺の由来。
弁当文化が根づいた背景。
なぜあの料理がこの土地に残っているのか。
ここでは台湾の食文化や背景を少しだけ掘り下げてみる。
料理をひとつの入り口にして、
街の層を覗いているような感覚に近い。
-
食文化の記録
Louisa Coffee についての記録|台湾のチェーン店
―― 灼熱の街と、オレンジ色の横顔 ―― 台湾の夏は、容赦がない。午後になると湿度は90%近くまで上がり、歩いているだけで体力が削られていく。 そんなとき、街角で必ず視界に入ってくるものがある。オレンジ色の背景に、横顔の女性。少しだけ古風で、どこ... -
食文化の記録
台湾の朝食が「何でもあり」な理由についての記録
―― 混沌を支える「鉄板一枚」の合理性 ―― 朝の台湾で、よくある光景がある。小さな朝食屋に入り、蛋餅(ダンピン)と飯糰(ファントァン)を頼む。鉄板の上で卵が割られ、生地が流され、隣では油條が温め直されている。 ふと顔を上げると、壁のメニューが... -
食文化の記録
台湾・マンゴーかき氷の過去と現在についての記録
―― Ice Monster から始まった伝説 ―― 日本の夏祭りで見かける、透明な氷に色付きのシロップをかけたもの。あの記憶を携えたまま台湾で「マンゴーかき氷」を前にすると、思考が一瞬止まる。 そこにあるのは、涼をとるための氷菓ではない。丼から溢れ出す、... -
食文化の記録
台湾・マンゴーの首都 玉井についての記録
―― アーウィン種から愛文へ ―― 台湾でマンゴーの話をすると、話題は自然と玉井に収束する。産地というより、首都。そう呼ばれる理由が、この町にはある。 玉井の青果市場に足を踏み入れると、まず量に圧倒される。体育館のような屋根の下、視界の端から端... -
食文化の記録
台湾の燙青菜についての記録
―― 罪悪感の帳消しシステム ―― 魯肉飯と肉団子スープを並べる。湯気は立つが、色味はほぼ茶色だ。 ここで多くの人が、同じ行動を取る。「燙青菜」。 燙青菜とは、直訳すれば「湯通しした青菜」だ。野菜を一皿足せば、全体のバランスが取れた気になる。栄養... -
食文化の記録
台湾・豆花屋の招牌についての記録
―― 原味という名の看板メニュー ―― 台湾の豆花屋に入る。メニューの最上段に、招牌の印が付いている。 原味豆花。 原点であり、看板。これ以上の正解はないと考え、注文する。 運ばれてきた丼を見て、手が止まる。白い豆腐。茶色い糖水。以上。 タピオカは... -
食文化の記録
台湾食堂の招牌についての記録
―― 迷える者の羅針盤 ―― 台湾のローカル食堂に入る。壁一面に、赤い短冊が並んでいる。 乾麺。湯麺。麻醤麺。餛飩麺。 どれも読める。だが、どれを選ぶべきかは分からない。 この場にいるのは、店の歴史を知らない旅行者だ。 どの料理が回っているのか。ど... -
食文化の記録
台湾の三色豆花についての記録
―― 大豆を捨てプリンになったテセウスの豆花 ―― 台湾の夜市で「豆花」の看板を見つけ、何気なく注文する。 出てきた器を見て、少し戸惑う。 白い豆腐はない。代わりに、黄色、茶色、白。三色に分かれた、ぷるぷるした物体が並んでいる。 ひと口食べてみる... -
食文化の記録
台湾の豆花は豆腐が脇役になる理由を考えてみる
―― 他の国の豆花はもっと白いはず ―― 豆花を食べながら、ふと思う。台湾の豆花は、なぜこんなに白くないのだろう。 丼の中をのぞいても、豆腐が見えない。ピーナッツ、アズキ、緑豆、タピオカ、芋団子。具材の層が、白い中心をすっかり覆っている。 香港や... -
食文化の記録
胡椒餅の起源についての記録
―― 草原の携帯食「サムサ」から辿る、小麦のシルクロード ―― 台湾の夜市で胡椒餅を焼く窯を見る。円筒形で、内側が赤く熱せられている。 この形は、中華料理の文脈だけでは説明できない。原型は中央アジアにある。 ウズベキスタンや新疆ウイグル自治区で使...