食文化の記録– category –
台湾の料理はおいしい。とてもおいしい。
街や人の歴史ともかなり近いところにある。
牛肉麺の由来。
弁当文化が根づいた背景。
なぜあの料理がこの土地に残っているのか。
ここでは台湾の食文化や背景を少しだけ掘り下げてみる。
料理をひとつの入り口にして、
街の層を覗いているような感覚に近い。
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食文化の記録
台湾・二人の食の外交官についての記録
―― 鼎泰豊、春水堂、そして微熱山丘 ―― 日本や海外の街を歩いていると、台湾発祥のブランドが自然に目に入る。意識して探すというより、視界に入ってくる。 85°C。Sushi Express。Gong cha。Chatime。CoCo。 駅前の商業施設の中だったり、空港の動線の途中... -
食文化の記録
台湾・鼎泰豊のチャーハンについての記録
―― 常連客の「本当の注文」 ―― 鼎泰豊に行ったら、テーブルを見渡してほしい。観光客は小籠包を食べている。ただ、地元の常連や食通のテーブルには、別の主役がいることがある。 排骨蛋炒飯。豚肉の唐揚げが乗ったチャーハンだ。 小籠包の蒸気よりも先に、... -
食文化の記録
台湾・ミシュランの星を持たない鼎泰豊本店についての記録
―― 評価のねじれと理由 ―― 鼎泰豊の香港店は、かつてミシュラン一つ星を獲得し、世界を驚かせた。点心という軽い食べ物が、星の制度に回収された瞬間でもあった。 一方で、台北の信義本店は星付きではない。評価はビブグルマンだ。価格以上の満足感が得ら... -
食文化の記録
台湾・宜蘭の三星葱についての記録
―― 雨の土地が作る白い甘さ ―― 宜蘭の市場を歩いていると、葱がやけに目に入る。肉や魚よりも先に、緑の束が視界を占領する。 通常、葱は薬味だ。料理の輪郭を整える脇役で、主役ではない。 だが宜蘭では、その常識が少し崩れる。葱が主役のパンがあり、葱... -
食文化の記録
台湾・鼎泰豊という製造業についての記録
――小籠包とチャーハンに見る、台湾製造業―― 鼎泰豊の入口は、街に溶けている。派手な看板があるわけではない。しかし人の流れだけが、そこを目的地として指し示している。 店内に入ると、空気が少し整っている。席に案内される前に、ガラス張りの厨房が目... -
食文化の記録
台湾・鼎泰豊のミシュラン獲得についての記録
―― 香港に落ちた星 ―― 2009年。料理界にとって、少し奇妙なニュースが流れた。 世界で最も権威あるミシュランガイドが、台湾の小籠包チェーン「鼎泰豊」に一つ星を与えた。 ただし、受賞したのは台北の信義本店ではない。香港のショッピングモールにある一... -
食文化の記録
台湾・魯肉飯ミシュラン事件についての記録
―― 台湾がざわついた日 ―― 2011年4月。ミシュランのグリーンガイド台湾版が出版された。 台湾の人々は、少し期待しながらページを開いた。国際的な権威が、自分たちの街や食べ物をどう書くのか。そこに興味が集まっていた。 その中に、魯肉飯の紹介があっ... -
食文化の記録
台湾・魯肉飯の歴史についての記録
―― 周王朝から始まる3000年の歴史 ―― 魯肉飯については、よくこう説明される。貧しい時代に、クズ肉を美味しく食べるために生まれた料理だ、と。 それは半分だけ正しいように見える。ただ、その説明は射程が短い。魯肉飯は、台湾の路地裏だけで完結した料... -
食文化の記録
台湾・鼎泰豊についての記録
―― 油屋をミシュラン店にした18のひだ ―― 鼎泰豊(ディンタイフォン)は、台北だけの店ではなくなっている。ロサンゼルスでも、ロンドンでも、シンガポールでも、同じ名前の看板があり、同じ蒸籠が積まれ、同じように行列ができる。 多くの人は、そこで「... -
食文化の記録
小籠包という台湾らしくない「台湾の顔」についての記録
―― Qでも、ツイでも、甘辛くもない ―― 台湾料理には、食べた瞬間に「ああ、台湾だ」と感じさせる共通のコードがある。台湾全土の夜市や食堂を支配しているその不文律を、まずは3つの要素で因数分解してみる。 ひとつめは食感である。何よりも「Q(キュウ)...