食文化の記録– category –
台湾の料理はおいしい。とてもおいしい。
街や人の歴史ともかなり近いところにある。
牛肉麺の由来。
弁当文化が根づいた背景。
なぜあの料理がこの土地に残っているのか。
ここでは台湾の食文化や背景を少しだけ掘り下げてみる。
料理をひとつの入り口にして、
街の層を覗いているような感覚に近い。
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食文化の記録
台湾とフィリピンのサバヒーについての記録
―― 骨を巡る二つの解法 ―― マニラの市場では「Bangus」と呼ばれ、台南の街角では「サバヒー(虱目魚)」と呼ばれる。銀色の体を持つ、同じ魚である。 生物学的には同一種。違うのは名前だけではない。両国が向き合ってきたのは、二百本を超える小骨という... -
食文化の記録
台湾の高級魚「ハタ」の物流についての記録
―― 宴席を支配する生存の価値 ―― 披露宴や忘年会の席で、最後に姿を現す魚がいる。ハタである。 価格は一尾数千元。この値段は、味覚だけに対して支払われているわけではない。生きたまま、目の前に運ばれてきたという事実に対する対価だ。 ハタ、とりわけ... -
食文化の記録
台湾のリンゴとイチゴについての記録
―― 亜熱帯で生き延びる二つの戦略 ―― 台北のスーパーの青果コーナー。冬になると、赤いリンゴとイチゴが同じ棚に並ぶ。 どちらも本来は寒冷地を好む果実だ。亜熱帯の島で、しかも「国産」として成立していることに、わずかな違和感が残る。 理由は単純では... -
食文化の記録
台湾の朝市で食べるべき料理についての記録
朝7時の市場。買い物客の流れの間に、屋台が点在している。鍋はすでに沸き、湯気が通路までこぼれている。 ここで出される料理は、軽くない。スープは濃く、麺は太い。朝食という言葉から連想される内容とは少し違う。 市場の食堂は、観光客向けの朝食会場... -
食文化の記録
台湾のキャベツ供給についての記録
―― 台湾の食を支える基盤食材の物流 ―― 台湾の食卓において、キャベツ(高麗菜)は副菜ではない。調味以前の、基盤に近い存在である。 餃子、肉まん、小籠包。街にあふれる粉ものの多くは、肉よりも先にキャベツに依存している。刻まれ、蒸され、混ぜられ... -
食文化の記録
台湾の市場での魚の扱いについての記録
— 家庭から外へと移動した魚食文化 — 朝の伝統市場を歩くと、肉の存在感が先に立つ。精肉店の前には人が集まり、空気が温まる。一方で、鮮魚店は端に寄せられ、規模も控えめに見える。 だが統計を見れば、台湾の一人あたり魚介類消費量は高い。年間30キロ... -
食文化の記録
台湾の市場での肉の扱いについての記録
―― 午前中に消える肉、温体肉という食文化 ―― 朝7時の伝統市場。白熱灯の下、常温の台に解体されたばかりの肉が並ぶ。霜も氷もなく、ラップもない。 先進国的な衛生観念で見れば、これはコールドチェーンの欠如に映る。だが、この光景は放置ではない。台湾... -
食文化の記録
台湾夜市の衛生についての記録
―― 夜市の「食の安全」を支える見えない仕組み ―― 夜市に立つと、まず視覚がざわつく。高温多湿の空気。人の流れ。常温で並ぶ肉や内臓、切られた果物。 日本の基準で見れば、どれも「危うい」。だが同時に、台湾の夜市で大規模な食中毒の話を聞くことは少... -
食文化の記録
台湾食堂の小菜についての記録
―― 勝手に取っていいの? 「謎の小皿」と注文ルール ―― 台湾のローカル食堂に入ると、まず視界に入ってくるものがある。入口付近の棚、あるいはガラス扉の冷蔵庫。その中に、ラップのかかった小皿が無数に積み上げられている光景だ。 日本人は一瞬、立ち止... -
食文化の記録
台湾の乾麺についての記録
―― 具なき「タレそば」の美学 ―― 台湾の食堂で伝票を手にすると、少し戸惑う瞬間がある。牛肉麺、麻醤麺、炸醤麺。どれも味が想像できる名前だ。その中に、ただ二文字だけで書かれた項目がある。 乾麺。 味の説明はない。具の説明もない。これにチェックを...