台湾の片隅– category –
台湾の街の片隅で食べたもの、歩いた道の記録をまとめていく予定。
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台湾の片隅
台北・中正区 南門市場についての記録
―― 市場というより、デパ地下 ―― 自動ドアが開いた瞬間、汗が引いていく。強烈な冷房、磨かれた床、一定のリズムで動くエスカレーター。 空港のラウンジか、百貨店の地下に入ったような錯覚がある。だが、ここは南門市場だ。 雙連朝市で嗅いだ血の匂いも、... -
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台中・中区 台中第二市場についての記録
―― 貴族市場から観光市場へ ―― 「市場」と聞いて想像する、生臭さや怒号はここにはない。台中第二市場。足元はきれいに舗装され、水たまりもない。 すれ違うのは買い物かごを持った主婦ではなく、スマホを構えた観光客だ。その中に、こちらも混じっている... -
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台北・中山区 濱江市場についての記録
―― 轟音の下にある台北の胃袋 ―― 突然、会話が途切れる。耳を塞ぎたくなるほどの轟音が、真上から落ちてくる。 見上げると、着陸態勢に入った飛行機の腹。思わず足を止めてしまうほど、近い。 ここは濱江市場。台北でいちばん「空に近い」市場であり、同時... -
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台湾の朝市で食べるべき料理についての記録
朝7時の市場。買い物客の流れの間に、屋台が点在している。鍋はすでに沸き、湯気が通路までこぼれている。 ここで出される料理は、軽くない。スープは濃く、麺は太い。朝食という言葉から連想される内容とは少し違う。 市場の食堂は、観光客向けの朝食会場... -
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台湾・中山区 雙連朝市についての記録
―― 近代的な公園の脇で生き残り続ける理由 ―― 台北MRTの雙連駅で地上に出る。右に進めば、中山エリア。カフェ、雑貨、均整の取れた街路。都市が「見せたい台北」が、そこにはある。 だが、左――民権西路の方へ一歩踏み出すと、空気が変わる。 豚の頭。山積... -
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台湾のキャベツ供給についての記録
―― 台湾の食を支える基盤食材の物流 ―― 台湾の食卓において、キャベツ(高麗菜)は副菜ではない。調味以前の、基盤に近い存在である。 餃子、肉まん、小籠包。街にあふれる粉ものの多くは、肉よりも先にキャベツに依存している。刻まれ、蒸され、混ぜられ... -
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台湾の市場での魚の扱いについての記録
— 家庭から外へと移動した魚食文化 — 朝の伝統市場を歩くと、肉の存在感が先に立つ。精肉店の前には人が集まり、空気が温まる。一方で、鮮魚店は端に寄せられ、規模も控えめに見える。 だが統計を見れば、台湾の一人あたり魚介類消費量は高い。年間30キロ... -
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台湾の市場での肉の扱いについての記録
―― 午前中に消える肉、温体肉という食文化 ―― 朝7時の伝統市場。白熱灯の下、常温の台に解体されたばかりの肉が並ぶ。霜も氷もなく、ラップもない。 先進国的な衛生観念で見れば、これはコールドチェーンの欠如に映る。だが、この光景は放置ではない。台湾... -
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台湾夜市の衛生についての記録
―― 夜市の「食の安全」を支える見えない仕組み ―― 夜市に立つと、まず視覚がざわつく。高温多湿の空気。人の流れ。常温で並ぶ肉や内臓、切られた果物。 日本の基準で見れば、どれも「危うい」。だが同時に、台湾の夜市で大規模な食中毒の話を聞くことは少... -
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台湾の夜市がおいしく感じる理由を考えてみる
―― 味覚を錯覚させる仕組み ―― 湯気が立ちこめ、匂いが入り乱れ、プラスチックの椅子が並ぶ。夜市の風景は、決して洗練されてはいない。 高級レストランのような食材があるわけでもなく、技巧を凝らした盛り付けがあるわけでもない。 それでも、夜市で食べ...