台湾の片隅– category –
台湾の街の片隅で食べたもの、歩いた道の記録をまとめていく予定。
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台湾の片隅
高雄港の再開発についての記録
── 哈瑪星からYouBikeで南へ下る ── MRT哈瑪星駅で地上に出る。改札を抜けると、視界は意外なほど開けている。いまでは当たり前のこの風景が、20年前には存在しなかった。 当時の高雄港は、軍事と物流の聖域だった。市街地と港のあいだには高い塀があり、... -
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台湾かき氷の隆盛と凋落についての記録
―― なぜ韓国ビンスーに負けたのか ―― 台湾の夏に、かき氷は欠かせない。夜市の一角、プラスチック椅子、湿った空気。山のように盛られた氷に、果物と練乳が流れ落ちる。 かつて台湾のかき氷は、世界の頂点にいた。それでも今、アジアの都市部で主役の座に... -
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台中・太陽餅の由来についての記録
―― 崩れる菓子と鉄道の記憶 ―― 太陽餅を、きれいに食べ切った経験がある人は少ない。一口かじった瞬間、薄い皮の層が乾いた音を立てて崩れ、机や服の上に粉雪のように広がる。食べる側に一切の配慮をしていない、難易度S級の菓子である。 それでも太陽餅は... -
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台湾のパイナップルケーキの産業史についての記録
―― 冬瓜という名の「優しい嘘」 ―― 台湾土産の定番、鳳梨酥(パイナップルケーキ)。初めて食べたとき、「思ったよりパイナップル感がない」と感じた人は少なくないはずだ。 実はそれは、味覚が鈍いわけでも、店選びを間違えたわけでもない。長いあいだ、... -
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台湾のサトウキビストローについての記録
―― おいしい環境対策 ―― 台湾のカフェでドリンクを頼むと、日本でよく見るような、ボール紙で作られた紙ストローが出てこない。 代わりに渡されるのは、プラスチックでもなければ、いかにも紙という見た目でもない、少しだけざらついた、不思議な質感のス... -
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台湾式ドリンクホルダーについての記録
―― 手首にぶら下がる合理性の正体 ―― 台北のMRTの出口を出て、信号を渡り、夜市の入口へ向かう途中、ふと目に留まる光景がある。人々はスマホを操作しながら、片手で飲み物を持つのではなく、もう一方の手首にドリンクをぶら下げている。 手首にぶら下がっ... -
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台湾ドリンクのフタについての記録
―― シーリングマシンが変えたドリンク文化 ―― 台北の交差点。信号待ちのざわめきに、一定のリズムが混じる。 カチャン。ウィーン。プシュ。 ドリンクスタンドの前で、透明なフィルムが一瞬で張られる音だ。カップの上で、熱が走り、蓋が閉じる。 この音は... -
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ベトナム高原に根付いた台湾茶についての記録
―― 海を渡った分家の存在感 ―― ベトナム中南部、ラムドン省。標高は1,000メートルを超え、朝晩はひんやりとする。 赤土の起伏に沿って、茶畑が広がる。段々の形、畝の間隔、作業道の取り方。どこか見覚えがある。 南投県の鹿谷や名間。台湾中部の茶産地と... -
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台湾のお茶・東方美人についての記録
―― 傷ついた葉が甘くなる理由 ―― 東方美人。台湾茶の中でも、最上位に置かれる名前だ。 だが、茶葉を前にすると戸惑う。緑、白、赤、黄、褐色。五色が混ざり合い、形は小さく縮れている。整然とした烏龍茶のイメージからは遠い。 枯れかけた雑草のようにも... -
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台湾高山の茶とコーヒーの共生についての記録
―― 茶畑の隙間で育つコーヒー ―― 標高1,000メートルを超える、雲林や嘉義の山間部。視界を埋めるのは、段々に連なる茶畑の緑だ。 だが、よく見ると、その隙間に赤い点が混じる。コーヒーの実である。 製茶工場の前を通ると、空気が二層に分かれていること...