台湾の片隅– category –
台湾の街の片隅で食べたもの、歩いた道の記録をまとめていく予定。
-
台湾の片隅
旅行者が台鉄に乗る理由を考えてみる
―― 乗る理由はないが、あえて乗る ―― 正直に言うと、旅行者が台鉄に乗る理由は、あまりない。 速さなら高鉄がある。分かりやすさならMRTがある。本数も多く、案内も親切で、時間に余裕がない旅行では十分すぎる。 台北から台中へ行くなら高鉄。市内を動く... -
台湾の片隅
鉄路弁当という台湾の食文化についての記録
―― 移動の中で成立した、温かい弁当について ―― 台湾で鉄道に乗ると、ときどき、先に匂いが来る。 醤油と、八角。視界に入る前に、これから食事が始まることが分かる。 鐵路便當(鉄路弁当)は、見て選ぶ料理というより、気配として現れる食べ物だ。 それ... -
台湾の片隅
台鉄の歴史についての記録
―― 役割を変え続けた鉄道 ―― 台湾鉄道(台鉄)に乗ると、古いというより、時間が重なっている感じがする。 車両の新旧でも、設備の問題でもない。 この鉄道は、速さを求められた時代と、生活を支えた時代と、旅情を託される現在とを、同時に走っている。 ... -
台湾の片隅
台湾の高速バスが今なお主力である理由についての記録
―― 高鉄と競合しながら消えなかった移動手段 ―― 台湾を移動していると、少し不思議な場面に何度も出会う。 高鉄があり、台鉄があり、MRTも整っている。 それでも人は、高速バスに乗る。 積極的に選びにいくというより、気づくとそこに流れている。 高速バ... -
台湾の片隅
EasyCardが示す台湾インフラの完成形
―― 誰でも・どこでも・何にでも使えるカード ―― 台湾を歩いていると、説明されないまま成立しているものがいくつかある。 EasyCardも、その一つだ。 買い方を詳しく知らなくてもいい。使える場所を全部把握していなくてもいい。 とりあえず出せば、だいた... -
台湾の片隅
MRTが台湾にもたらしたものを考える
―― 歩ける街を取り戻した交通インフラについて ―― 西門駅の改札を出て、地上に上がる。観光地としてよく知られた一帯だが、少し北に向かって歩き始めると、街の表情はすぐに変わる。 この距離を歩くことに、特別な決意はいらない。歩こうと思ったから歩い... -
台湾の片隅
台北MRT環状線計画についての記録
―― 中心を通らない路線が示したもの ―― 中心に行かないという違和感 台北MRTといえば、台北駅を起点に放射状に広がる路線網を思い浮かべる。人も、仕事も、商業も、中心に集めるための交通。 環状線は、その文法から外れている。台北駅を通らない。観光地... -
台湾の片隅
新北にいくつもLRTがある理由についての記録
―― 台北メトロとは別の選択 ―― 新北にあるLRTは、どれも路線が短い。淡海、安坑、三鶯。いずれも台北駅に直結せず、単体で完結する交通ではない。 観光路線でもなければ、都市の顔になる幹線でもない。 それでも新北では、LRTが複数、本数多く計画され、敷... -
台湾の片隅
高雄LRTの設計思想を想像してみる
―― 何を足さず、何を残したのか ―― ヨーロッパにも、アジアにも、路面電車はある。高雄LRTも、その延長線上にあると思っていた。 地上を走り、速度は控えめで、交差点で止まる。特別なものではないはずだった。 それでも乗ってみると、はっきりとは言えな... -
台湾の片隅
高雄LRTという選択についての記録
―― 大量輸送を目的にしなかった都市の記録 ―― 高雄には、すでにMRTがある。それでも市は、LRTを選んだ。 地下ではなく、地上。高速ではなく、ゆっくり。 同じ街に、性格の違う鉄道を重ねる判断は、一見すると分かりにくい。 だがこの選択は、「どう運ぶか...