台湾の片隅– category –
台湾の街の片隅で食べたもの、歩いた道の記録をまとめていく予定。
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台湾の片隅
八角の香りについての記録|台湾の調味料
―― 飛行機のドアが開いた瞬間に漂うもの ―― 台湾に着くと、まず鼻が反応する。空気の湿度でも、街のざわめきでもない。 「八角の香り」だ。 ターミナルの通気口、空港駅の売店、どこかで温まっている滷味。あの甘くスパイシーで、少し薬草のような香りが混... -
台湾の片隅
台湾人が火鍋を好きな理由を考えてみる
―― 背景にある3つの仮説 ―― 台湾は冬でもそんなに寒くはならない。それでも、夜になると火鍋屋の前に人が溜まる。 蒸気の向こうで、赤いスープがぐつぐつと煮え、扉が開くたびに、唐辛子と牛脂の匂いが外へ漏れる。「ああ、今日も火鍋か」そう思いながら... -
台湾の片隅
実は、台湾人が一番好きな料理は火鍋、についての記録
―― 鍋が個食に分解されるまでの話 ―― 台湾料理と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは小籠包や魯肉飯だろう。しかし、台湾で暮らす人に「何が一番好きか」と聞くと、少し間を置いて、火鍋という答えが返ってくることが多い。 それは観光向けの名物ではなく... -
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沙茶醬が主役の台湾料理についての記録
―― 台湾の食卓を横断する一匙の用途集 ―― 沙茶醬(サーチャージャン)は、それ単体で食べる調味料ではない。必ず何かに混ざり、火にかかり、油と絡み、料理の輪郭を一段だけ太くする。 台湾で沙茶醬が使われる料理を並べてみると、そこにははっきりした傾... -
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沙茶醬という交差点についての記録|台湾の調味料
―― 海を渡った調味料の記憶 ―― 台湾の食堂で、卓上の瓶に目をやると、茶色く濁ったペーストが置かれていることがある。炒め物に混ぜ、鍋に溶かし、時にはそのまま舐める。沙茶醬(サーチャージャン)は、台湾料理の輪郭を底から支えている調味料だ。 甘い... -
台湾の片隅
台湾料理の「炒(チャオ)」と「爆(バオ)」についての記録
―― 台湾料理の漢字は、温度を語る ―― 台湾の食堂でメニューを眺めていると、同じような具材なのに、名前の雰囲気がまるで違う料理に出会う。「炒青菜」と「葱爆牛肉」。どちらもフライパンで作るはずなのに、後者だけが妙に物騒だ。 爆(バオ)。少し大げ... -
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台湾の朝食屋は儲かるのか計算してみる
―― 台北のど真ん中で「単価60元」が生き残る算盤勘定 ―― 台北の信義区や中山区。地価は東京と変わらないか、それ以上だ。それでも、路地裏の朝食屋は「豆乳25元」「蛋餅35元」を掲げ、毎朝のように紙袋を積み上げている。 スタバのラテが150元で売られてい... -
台湾の片隅
台湾の朝食屋が成り立つ仕組みについての記録
―― 台湾の街角を支える小さな経済システム ―― 台湾の街を歩くと、どの通りにも朝食屋がある。蛋餅、焼餅、豆乳、飯糰。それらが毎朝大量に流れ出していく光景は、単なる食文化ではなく、ひとつの経済システムでもある。 なぜ台湾では、あれほど多くの店が... -
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台湾の鹹豆漿についての記録
―― 固まる豆乳の背後にある構造 ―― 台湾の朝にいると、豆乳の湯気の中で、粥でもスープでもない一皿が置かれる。それが鹹豆漿(シェンドウジャン)だ。 甘い豆乳とは別の場所にあり、茶碗蒸しやおぼろ豆腐にも似ている。ただ、その成り立ちはもっと構造的... -
台湾の片隅
台湾の蛋餅についての記録
―― 大陸がルーツの薄焼き卵 ―― 台湾の朝食屋で最もよく見かけるのが、鉄板の上で静かに広がる薄い円だ。卵を落とし、折りたたみ、包丁の背で軽く叩く。その一連の動きから生まれる料理が、蛋餅(ダンピン)である。 台湾の朝を象徴する食べ物だが、その成...