台湾の片隅– category –
台湾の街の片隅で食べたもの、歩いた道の記録をまとめていく予定。
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台湾の片隅
台湾の食堂でよく見る「猪」についての記録
―― 野山を駆け回らない、愛すべき隣人 ―― 台湾の食堂に入ると、まず「猪」の字が目に入る。壁の短冊にも、メニューの端にも、厨房のガラスにもある。 猪脚。猪排。猪血。 日本語の感覚で読むと、少し身構える。今日はジビエなのか、と一瞬だけ考える。 だ... -
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高雄駅の地下化についての記録
―― 3,000トンの駅舎が「歩いて」帰ってくるまでの物語 ―― 2002年、高雄駅の地下化工事が始まった。問題は、1941年に建てられた旧駅舎だった。 通常であれば、解体か部分保存が選ばれる。高雄市は、別の判断をした。 建物ごと、横にずらす。総重量はおよそ2... -
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高雄・塩埕区の歴史についての記録
―― かつての「黄金の都」が放つ、鈍色の輝き ―― 塩埕区という地名は、もともと塩を干す土地だったことを示している。 湿地に近い低地で、長いあいだ、都市の中心とは無縁の場所だった。 高雄港が拡張され、埋立地の哈瑪星が手狭になると、商業の重心が少し... -
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高雄・哈瑪星 代天宮についての記録
―― 市役所跡地に建てられた寺院 ―― 哈瑪星の路地を歩いていると、ある地点で、視界が急に開ける。 低い建物が続く街並みの中に、突然、巨大な中華風の宮殿が現れる。代天宮だ。 廟の前には広場があり、年配の男性が将棋を指し、屋台からは湯気が立ち上り、... -
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高雄・哈瑪星の地名の由来についての記録
―― 線路が街名になった埋め立て地 ―― 高雄の地図を眺めていると、ひとつ妙な地名に出会う。「哈瑪星」。 中国語読みは「ハー・マー・シン」。意味はない。少なくとも、漢字としての意味は成立していない。 だが、これを日本語の音に戻すと、すべてが腑に落... -
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草に埋もれた「旧高雄駅」についての記録
―― 帝国の南端、世界の始発駅 ―― MRT哈瑪星駅(旧・西子湾駅)を出ると、高雄の街にしては異様なほど、視界が開ける。 建物はない。舗装もない。あるのは、どこまでも続く芝生だけだ。 だが足元をよく見ると、草の下から鉄が浮き出ている。一本や二本では... -
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高雄・苓雅区 喬品炒飯についての記録
―― 台湾全土トップ10に輝いた、辛くて硬い哲学 ―― 台湾には、数えきれないほどのチャーハン屋がある。その中で、2013年のネット投票「全台湾チャーハンランキング」で10位に入った店が、高雄にある。 鼎泰豊のような有名店と並び、路地裏の一軒が名を連ね... -
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高雄・新興区 饗福園北方面食館についての記録
―― 六合夜市近くの牛肉捲餅と小籠湯包 ―― 台湾の街角を歩いていると、ときどき「北方面食」という看板に出会う。 これは台北のことではない。指しているのは、中国華北地方の食文化だ。 米ではなく、小麦を主食とする地域。麺、餅、包子。腹にたまる粉もの... -
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高雄・前金区 MINI.D COFFEE 自立館についての記録
―― 六合夜市の隣にある「白い避難所」 ―― 六合夜市を歩いていると、視界は常に情報で満たされる。赤い看板、強い照明、呼び込みの声。 その流れを西へ抜け、自立二路との交差点に出ると、ひとつだけ色調の違う建物が現れる。 白い外壁。ガラス張りの大きな... -
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老街? そこら辺にあるがな、と言ってみる
―― 観光地化されたノスタルジーと、路地裏のリアル ―― 大阪人に「美味しいお好み焼き屋」を聞いてはいけない。だいたい返ってくる答えは決まっている。 そんなもん、そこら辺の店でええがな。 彼らにとってお好み焼きは、わざわざ電車に乗って食べに行くイ...