台湾の片隅– category –
台湾の街の片隅で食べたもの、歩いた道の記録をまとめていく予定。
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台湾の片隅
高雄・美麗島事件についての記録
―― 交差点に残る記憶 ―― 高雄の地下鉄で、最も知られている駅は美麗島駅だろう。改札を出ると、天井いっぱいに広がる極彩色のステンドグラスが視界を覆う。「世界で最も美しい駅」という評価も、誇張ではない。 ただ、その名前に、わずかな違和感が残る。... -
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高雄・美麗島駅についての記録
―― 光の下に埋め込まれた記念碑 ―― 改札を抜けた瞬間、視界が塞がれる。天井一面に広がる極彩色。思考より先に、身体が反応する。 ここは美麗島駅。高雄MRTの南北を貫く紅線と、東西を横切る橘線が交差する、ただ一つの地点だ。 人は通過するために集まっ... -
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高雄の夜の風景についての記録
―― 夕暮れ、百貨店の足元から塩埕区へ ―― 高雄の夕方は、終わりではなく切り替えに近い。太陽が沈み切る前から、街は次のモードに入り始める。 昼の熱はまだ残っているが、影が伸び、風向きが変わる。百貨店の出口では、冷房の名残と外気の湿度がぶつかり... -
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高雄の昼の風景についての記録
―― 午後の中山路を徒歩で南下する ―― 高雄の午後は、朝と夜のどちらにも属していない。観光のピークでもなく、店が一斉に動き出す時間でもない。 日差しは強いが、街はどこか弛緩している。人は多いが、急いでいない。スクーターの流れだけが、都市のリズ... -
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高雄の朝の風景についての記録
―― YouBikeに乗って塩埕区から中央公園へ ―― 高雄の朝は、完成していない。人も街も、まだ途中にある。 夜の熱気は引ききらず、昼の秩序もまだ立ち上がっていない。その中間に、短い時間だけ現れる、曖昧な層がある。 店は準備中で、道路は空いている。シ... -
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「何でもあり」な台湾の朝食についての記録
―― 1949年、永和、美而美。積み上げた食の地層 ―― 台湾の朝。早餐店と書かれた小さな店に入り、壁のメニューを見上げる。 文字と写真が隙間なく並び、どこから読めばいいのかわからない。蛋餅。飯糰。大根餅。 ここまでは想定の範囲だ。 その横に、ハンバ... -
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高雄・左営区 芒果好忙についての記録
―― マンゴーの城と、冬に現れるイチゴの要塞 ―― 店の名前は芒果好忙。 直訳すれば「マンゴーは忙しい」。だが、12月から3月にかけてここを訪れると、マンゴーは驚くほど静かだ。 代わりに店を占拠しているのは、真っ赤なイチゴである。 この店は、夏はマン... -
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台湾・マンゴーかき氷の過去と現在についての記録
―― Ice Monster から始まった伝説 ―― 日本の夏祭りで見かける、透明な氷に色付きのシロップをかけたもの。あの記憶を携えたまま台湾で「マンゴーかき氷」を前にすると、思考が一瞬止まる。 そこにあるのは、涼をとるための氷菓ではない。丼から溢れ出す、... -
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台湾・マンゴーの首都 玉井についての記録
―― アーウィン種から愛文へ ―― 台湾でマンゴーの話をすると、話題は自然と玉井に収束する。産地というより、首都。そう呼ばれる理由が、この町にはある。 玉井の青果市場に足を踏み入れると、まず量に圧倒される。体育館のような屋根の下、視界の端から端... -
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台湾・YouBike 1.0 vs 2.0についての記録
―― オレンジから白へ、静かな革新 ―― 台北の街を歩いていると、二種類の自転車が視界に入る。オレンジ色の古い車体と、白と黄色の新しい車体。 多くの人にとっては、単なるデザインの違いだろう。古いのが残っていて、新しいのに置き換わっていく。その程...