街角の記録– category –
ここには、台湾の街角で出会った風景をまとめている。
歩いていて、ふと目にとまった建物や仕組みもあれば、
理由もなく何度も足が向く場所もある。
そこにどんな空気が流れていたのか、
どんな人がいて、どんな時間が積み重なってきたのか。
食とは少し離れた場所の歴史や気配も、静かに残しておきたい。
台北、台中、高雄を中心に、
台湾の“街の片隅”を少しずつ集めていく予定。
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街角の記録
高雄の昼の風景についての記録
―― 午後の中山路を徒歩で南下する ―― 高雄の午後は、朝と夜のどちらにも属していない。観光のピークでもなく、店が一斉に動き出す時間でもない。 日差しは強いが、街はどこか弛緩している。人は多いが、急いでいない。スクーターの流れだけが、都市のリズ... -
街角の記録
高雄の朝の風景についての記録
―― YouBikeに乗って塩埕区から中央公園へ ―― 高雄の朝は、完成していない。人も街も、まだ途中にある。 夜の熱気は引ききらず、昼の秩序もまだ立ち上がっていない。その中間に、短い時間だけ現れる、曖昧な層がある。 店は準備中で、道路は空いている。シ... -
街角の記録
台湾・YouBike 1.0 vs 2.0についての記録
―― オレンジから白へ、静かな革新 ―― 台北の街を歩いていると、二種類の自転車が視界に入る。オレンジ色の古い車体と、白と黄色の新しい車体。 多くの人にとっては、単なるデザインの違いだろう。古いのが残っていて、新しいのに置き換わっていく。その程... -
街角の記録
台湾にYouBikeは何台あるのか推計してみる
―― いくつかの前提を置きながら ―― 駅前の朝食屋で、豆乳を飲んでいる。まだ完全に目が覚めきらない時間帯だ。 目の前を、YouBikeに乗った人たちが次々に通り過ぎていく。スーツの人もいる。バックパックの学生もいる。 信号が変わるたびに、数台ずつ流れ... -
街角の記録
台湾・YouBikeの最適配置についての記録
―― 偶然ではない「いつでも乗れる」 ―― 台北でも高雄でも、歩いていると同じ光景に何度も出会う。曲がり角の先、公園の入口、駅前の余白。そこに黄色と白の自転車が並んでいる。 不思議なのは、数ではない。「乗れない」場面に、ほとんど遭遇しないことだ... -
街角の記録
高雄駅移転後の都市計画についての記録
―― パリを模した、人口40万人の未来図―― 1941年。完成したばかりの高雄駅の前に立つ。 背後には、瓦屋根を載せた重厚な駅舎。しかし、正面には建物がない。 視界にあるのは、田んぼと、異様に広い一本道だけだ。 都市に必要なはずの「街」がなく、先に「骨... -
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高雄・1941年の高雄駅移転についての記録
―― 戦争がもたらした決断と街の重心移動 ―― 高雄駅は、中山路の突き当たりにある。いかにも「中心」に据えられた顔をしている。 だが、最初からそうだったわけではない。20世紀初頭、高雄の中心は海沿いにあった。 哈瑪星。港と鉄道が直結する場所だ。 人... -
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北へ動く高雄の重心についての記録
―― 漢神アリーナと瑞豊夜市が作り出す、消費の渦 ―― 塩埕区や新堀江を歩いたあと、MRTで巨蛋駅に降りる。 空気が違う。人の密度が、明らかに違う。 南の街が「落ち着いた」と言われるなら、ここはまだ動いている場所だ。 買い物袋を持った家族。制服姿の学... -
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空路・台北ー高雄線廃止についての記録
―― 新幹線が変えた高雄の重心 ―― かつて、台北と高雄の間には、空のシャトル便があった。 松山から小港へ。朝から夜まで、ほぼ途切れることなく飛んでいた。 中華航空。エバー航空。遠東航空。 搭乗口には、スーツ姿の男たちが並び、その多くは、同じ日の... -
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高雄・新興区 新堀江商圏についての記録
―― 高雄の原宿が「新」堀江と呼ばれる理由 ―― 高雄に「新堀江」という地名がある。漢字だけを見ると、中国語としては少し奇妙だ。 「堀江」は、意味を成さない。川でもなく、港でもない。 これは、日本語の「堀江」の音を、そのまま写した言葉だ。 日本統...