街角の記録– category –
ここには、台湾の街角で出会った風景をまとめている。
歩いていて、ふと目にとまった建物や仕組みもあれば、
理由もなく何度も足が向く場所もある。
そこにどんな空気が流れていたのか、
どんな人がいて、どんな時間が積み重なってきたのか。
食とは少し離れた場所の歴史や気配も、静かに残しておきたい。
台北、台中、高雄を中心に、
台湾の“街の片隅”を少しずつ集めていく予定。
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街角の記録
台北MRT環状線計画についての記録
―― 中心を通らない路線が示したもの ―― 中心に行かないという違和感 台北MRTといえば、台北駅を起点に放射状に広がる路線網を思い浮かべる。人も、仕事も、商業も、中心に集めるための交通。 環状線は、その文法から外れている。台北駅を通らない。観光地... -
街角の記録
新北にいくつもLRTがある理由についての記録
―― 台北メトロとは別の選択 ―― 新北にあるLRTは、どれも路線が短い。淡海、安坑、三鶯。いずれも台北駅に直結せず、単体で完結する交通ではない。 観光路線でもなければ、都市の顔になる幹線でもない。 それでも新北では、LRTが複数、本数多く計画され、敷... -
街角の記録
高雄LRTという選択についての記録
―― 大量輸送を目的にしなかった都市の記録 ―― 高雄には、すでにMRTがある。それでも市は、LRTを選んだ。 地下ではなく、地上。高速ではなく、ゆっくり。 同じ街に、性格の違う鉄道を重ねる判断は、一見すると分かりにくい。 だがこの選択は、「どう運ぶか... -
街角の記録
台湾のMRTについての記録(一覧)
(ここには、MRTについて書いてきた記録をまとめて置いている。) ―― 都市ごとの分岐点を整理する ―― 台湾の主要都市にはMRTがある。それは規模や人口から見て、必然だったとは言い切れない。 バイク社会であり、道路も比較的広い。それでも台湾の都市は、... -
街角の記録
台中MRTについての記録
―― 鉄道都市の記憶と、未完成を前提にした計画 ―― 台中MRTは、初めて乗ると少し拍子抜けする。路線は一本だけ。地下ではなく高架。駅は新しく、清潔だが、どこか余白が多い。 台北や高雄のような「都市の血管」という感じはまだ薄い。それでも、この中途半... -
街角の記録
高雄MRTについての記録
―― 南の街に残った、時間の余白 ーー 高雄MRTは、最初から国家事業ではなかった。台湾で初めて、BOT方式で建設された地下鉄だ。 民間が建設し、運営し、一定期間後に返還する。政府の財政負担を減らすための選択だった。 ただ、公共交通は収益を生みにくい... -
街角の記録
台北MRTについての記録
―― 泥にまみれた生存の記憶 ―― 台北MRTの床は、やけに白い。ゴミ箱が見当たらないのに、ゴミも落ちていない。 地上に出れば、夜市の油煙とバイクの排気音がある。地下だけが、切り取られたように静かだ。 この落差は、偶然ではない。この秩序は、最初から... -
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空港MRTについて記録|台湾
―― 遠かった空港、近くなった世界 ―― かつて台北から桃園空港へ向かう道は、不確実だった。國光客運のバスに乗り、高速道路の渋滞に賭ける。雨の日は特に、到着時刻は読めなかった。 2017年、桃園空港MRTの開通によって状況は一変する。空港までの時間は、... -
街角の記録
高雄空港についての記録
―― 煙突と椰子の木のあいだに降り立つ場所 ―― 台湾に何度か来ていると、空港に降り立った瞬間の「空気の違い」に敏感になる。 桃園は国家の玄関口。松山は都市の縁側。 そして高雄空港は、最初から少し毛色が違う。ここには観光都市の華やかさよりも、働く... -
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桃園空港という台湾の玄関ついての記録
―― 台北から40km離れた場所に造られた「未完の空港」 ―― 松山空港が「都市の空港」なら、桃園空港は最初から「国家の空港」として構想された。 1970年代、台湾は国連を脱退し、外交的に孤立していた。その危機感の中で蒋経国が推し進めたのが、いわゆる「...