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食文化の記録
台湾の調味料についての記録
―― 台湾の香りを支える「見えない4本柱」」 ―― 飛行機を降り、ターミナルの外に出た瞬間。深夜、コンビニの自動ドアが開いたとき。夕方18時、夜市の屋台が一斉に火を入れるあの時間帯。 台湾に来ると、まず鼻が反応する。視覚よりも先に、嗅覚が「ここは台... -
食文化の記録
八角が主役の台湾料理についての記録
―― 漢方のような匂いの発生源 ―― 台湾の街を歩いていると、どこからともなく、甘く、少し漢方めいた香りが鼻をかすめる。 特定の店の前に立っていなくてもいい。夜市でなくても、屋台でなくても。 コンビニの入口、路地の角、夕方の住宅街。 その香りは、... -
食文化の記録
油蔥酥についての記録|台湾の調味料
―― 魯肉飯から客家料理まで。茶色い粒の仕事 ―― 台湾の食堂に入ると、ふわりと甘く焦げた匂いがすることがある。それは肉の匂いでも、醤油の匂いでもない。もう少し乾いていて、もう少し軽い。 丼の端に散らばる茶色い粒。油蔥酥(ユーツォンスー)だ。 主... -
食文化の記録
醬油膏についての記録|台湾の調味料
―― 甘みと旨味のとろみ醤油 ―― 台湾の食堂で、テーブルの調味料ボトルを傾ける。 中の黒い液体は、すぐには落ちてこない。一呼吸おいて、トロンと重々しく垂れてくる。 まるでチェーンソーオイルか、黒蜜のような粘度。日本人が知る醤油とは、物理法則が違... -
食文化の記録
八角の香りについての記録|台湾の調味料
―― 飛行機のドアが開いた瞬間に漂うもの ―― 台湾に到着し、ボーディングブリッジへ一歩踏み出した瞬間。 湿気とともに、甘く、少し薬草のような匂いがまとわりつく。 視界に街並みが入るよりも先に、鼻が反応する。 それが台湾だと気づく合図になる。 ター... -
片隅の独り言
台湾人が火鍋を好きな理由を考えてみる
―― 背景にある3つの仮説 ―― 台湾は冬でもそんなに寒くはならない。それでも、夜になると火鍋屋の前に人が溜まる。 蒸気の向こうで、赤いスープがぐつぐつと煮え、扉が開くたびに、唐辛子と牛脂の匂いが外へ漏れる。「ああ、今日も火鍋か」そう思いながら... -
食文化の記録
実は、台湾人が一番好きな料理は火鍋、についての記録
―― 鍋が個食に分解されるまでの話 ―― 台湾料理と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは小籠包や魯肉飯だろう。しかし、台湾で暮らす人に「何が一番好きか」と聞くと、少し間を置いて、火鍋という答えが返ってくることが多い。 それは観光向けの名物ではなく... -
食文化の記録
沙茶醬が主役の台湾料理についての記録
―― 「米泥棒」としての才能と、空心菜という相棒 ―― 台湾の食堂で、卓上の瓶に目をやると、茶色く濁ったペーストが置かれていることがある。 沙茶醬(サーチャージャン)は、何かを飾るための調味料ではない。淡白な食材の輪郭を太くし、白飯の速度を上げ... -
食文化の記録
沙茶醬という交差点についての記録|台湾の調味料
―― 銀色の缶と、砂の舌触り ―― 台湾の食堂で、卓上の瓶に目をやると、茶色く濁ったペーストが置かれていることがある。 炒め物に混ぜ、鍋に溶かし、時にはそのまま舐める。沙茶醬(サーチャージャン)は、台湾料理の輪郭を底から支えている調味料だ。 甘い... -
食文化の記録
台湾料理の「炒(チャオ)」と「爆(バオ)」についての記録
―― 台湾料理の漢字は、温度を語る ―― 台湾の食堂でメニューを眺めていると、同じような具材なのに、名前の雰囲気がまるで違う料理に出会う。「炒青菜」と「葱爆牛肉」。どちらもフライパンで作るはずなのに、後者だけが妙に物騒だ。 爆(バオ)。少し大げ...