-
旅の支度
選択肢が少ないから Expedia を使うという選択
―― 選ばないことで、旅は軽くなる ―― 旅の主役は、街と食だ。どれだけ素敵な部屋に泊まっても、その記憶は皿一枚に負ける。 宿に求める条件は、ほんの少しでいい。・清潔である(虫が出ない)・湯がちゃんと出る・駅や市場に近い これだけで、旅は成立する... -
食文化の記録
台湾の蒸し餃子(蒸餃)についての記録
―― 小籠包を飲み込んだ麵食館 ―― 台湾で蒸餃(ヂェンジャオ)を食べようと思うと、少し困る。 蒸餃専門店というものが、ほとんど存在しないからだ。 焼き餃子なら鍋貼(グォティエ)専門の店がある。水餃子なら水餃(スイジャオ)だけを売る店がある。しか... -
食文化の記録
台湾の焼き餃子(鍋貼)についての記録
―― 水餃子とは別種の餃子 ―― 台湾の食堂で「餃子」と書かれた文字を見て注文すると、鉄板の音は聞こえてこない。運ばれてくるのは、白くて湯気をまとった水餃子ばかりだ。 焼かれたものを食べたい場合、探すべき漢字は別にある。それが「鍋貼(グオティエ... -
食文化の記録
台湾・水餃子(水餃)についての記録
―― 日本人最大の誤解 ―― 夕方の市場通りを歩くと、赤い文字で「水餃(シュイジャオ)」と書かれた看板がいくつも並んでいる。 ガラス越しの店内では、丸いテーブルを囲んで家族が黙々と餡を包んでいる。 母親が皮を広げ、祖母が具を置き、子どもが端をつま... -
街角の記録
台南 鯤鯓(クンシェン)の謎についての記録
―― 消えた「7頭のクジラ」と、オランダ支配を終わらせた泥 ―― 台南を歩いていると、「鯤鯓(クンシェン)」という地名に出会う。海から離れた陸地に、なぜ「クジラの背中」という字が残るのか。 理由は単純で、ここはもともと海だった。17世紀、台南の沖合... -
街角の記録
台南 消えたラグーンと古都についての記録
―― 海が陸になり、港が街になった場所 ―― 台南の街を歩くと、不思議な感覚にとらわれる。古いものがそのまま残っているようでいて、しかし地図を見ると、街の輪郭は妙に海から遠い。 静かな路地、赤レンガの廟、乾いた風。ここは確かに「古都」なのに、海... -
街角の記録
高雄・旗津(チージン) 高雄港の原点についての記録
―― 港を守る「天然の防波堤」 ―― 高雄港が天然の良港と呼ばれる理由は、地図を見ると一目で分かる。沖に向かって細長く伸びる砂州──旗津(チージン)。 この一本の砂の壁が、台風や台湾海峡の荒波を正面から受け止め、内側に鏡のような静水域を生み出して... -
街角の記録
高雄生い立ち。造られた街についての記録
―― 湿地を削り、海を深くし、船を呼び込んだ港の物語 ―― 海沿いを歩くと、どこか人工的な静けさがある。倉庫、クレーン、運河。どれも人間の意図が詰まりすぎていて、自然発生した街とは違う気配がある。 高雄は、最初から輸出のために設計された港町だ。 ... -
街角の記録
雨の要塞・基隆についての記録 | 台湾
―― 北の端に置かれた、雨に濡れる前線基地 ―― 台湾最北端の港町・基隆(キールン)は、台北とは別の島のように雨が多い。冬の北東季節風が山にぶつかり、雲が留まり、雨が途切れない。年降水量は台北の倍以上になることもある。 傘をさすか、あきらめて濡... -
街角の記録
台北の始まり。要塞都市の影についての記録
―― 川と城壁がつくった、守るための首都 ―― 台北駅のまわりを歩くと、街は平坦に広がっているように見える。けれど、この都市は最初から「暮らすため」に選ばれたわけではない。台北は、防衛と統治を目的として形づくられた。街の明るさの奥に、かすかな緊...