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食文化の記録
台湾の貢丸湯についての記録
―― 最も基本的なスープの一つ ―― 台湾の食卓で、最も基本的なスープの一つが貢丸湯だ。透明な豚骨スープに、灰色がかった豚肉団子が浮く。薬味はセロリと白胡椒。余計なものは入らない。 見た目は極めて静かだ。澄んだ液体の中で、団子はほとんど動かず、... -
片隅の独り言
台湾で最も多くの鶏肉飯を売っているのはひげ張かもしれない
―― 鶏肉飯に「王」は不在か? ―― 台北の街を歩いていると、気づかないうちに黄色い看板の下に立っていることがある。 鬍鬚張魯肉飯(ひげ張)。誰もが魯肉飯の店だと知っている場所だ。 店に入り、メニューを見る。一行目は当然、魯肉飯。そのすぐ下に、白... -
食文化の記録
台湾の鶏肉飯についての記録
―― 看板に刻まれた「嘉義」の文字 ―― 台北でも、高雄でも。鶏肉飯の看板には、決まって「嘉義」の二文字がある。 繁華街の路地でも、駅前の食堂でも、まるで原産地表示のように、その地名は繰り返される。 「嘉義」と書かれていない鶏肉飯は、どこか借り物... -
高雄
高雄・Louisa Coffee 大立店についての記録
―― 窓枠の中の高雄 ―― 高雄の昼は、容赦がない。中央公園のそばに立つ大立百貨に近づくころには、体の表面が一段階熱を帯びている。 建物の外観は少し不思議だ。どこか80年代の未来像を引きずったような、モザイク調の壁面。新しくはないが、完全に古くも... -
食文化の記録
Louisa Coffee についての記録|台湾のチェーン店
―― 灼熱の街と、オレンジ色の横顔 ―― 台湾の夏は、容赦がない。午後になると湿度は90%近くまで上がり、歩いているだけで体力が削られていく。 そんなとき、街角で必ず視界に入ってくるものがある。オレンジ色の背景に、横顔の女性。少しだけ古風で、どこ... -
街角の記録
高雄・美麗島事件についての記録
―― 交差点に残る記憶 ―― 高雄の地下鉄で、最も知られている駅は美麗島駅だろう。改札を出ると、天井いっぱいに広がる極彩色のステンドグラスが視界を覆う。「世界で最も美しい駅」という評価も、誇張ではない。 ただ、その名前に、わずかな違和感が残る。... -
街角の記録
高雄・美麗島駅についての記録
―― 光の下に埋め込まれた記念碑 ―― 改札を抜けた瞬間、視界が塞がれる。天井一面に広がる極彩色。思考より先に、身体が反応する。 ここは美麗島駅。高雄MRTの南北を貫く紅線と、東西を横切る橘線が交差する、ただ一つの地点だ。 人は通過するために集まっ... -
片隅の独り言
高雄の夜の風景についての記録
―― 夕暮れ、百貨店の足元から塩埕区へ ―― 高雄の夕方は、終わりではなく切り替えに近い。太陽が沈み切る前から、街は次のモードに入り始める。 昼の熱はまだ残っているが、影が伸び、風向きが変わる。百貨店の出口では、冷房の名残と外気の湿度がぶつかり... -
街角の記録
高雄の昼の風景についての記録
―― 午後の中山路を徒歩で南下する ―― 高雄の午後は、朝と夜のどちらにも属していない。観光のピークでもなく、店が一斉に動き出す時間でもない。 日差しは強いが、街はどこか弛緩している。人は多いが、急いでいない。スクーターの流れだけが、都市のリズ... -
街角の記録
高雄の朝の風景についての記録
―― YouBikeに乗って塩埕区から中央公園へ ―― 高雄の朝は、完成していない。人も街も、まだ途中にある。 夜の熱気は引ききらず、昼の秩序もまだ立ち上がっていない。その中間に、短い時間だけ現れる、曖昧な層がある。 店は準備中で、道路は空いている。シ...