―― 家族の喧騒が調味料になる店 ――
高雄・苓雅区の大通りから一本入った場所。
夕方に近づくと、ここだけ明らかに空気の密度が違う。
店の前には、順番を待つ家族連れ。
テイクアウトの袋を受け取りに来る人。
何度も出入りする店員たち。
まるで動線が渋滞しているような状態だが、
それがこの店の日常なのだと思う。
街の“ちょっとだけハレの日”の場所
店名には「精緻」とあるが、決して高級店ではない。
かといって、屋台の無造作さでもない。
冷房が効いていて、明るくて、清潔。
大きめの丸テーブルが並び、席の間隔はやや狭い。
家族が週末に集まって、
いつもより少しだけいいものを食べる
そんな位置づけの店だと思った。
高雄の食文化の中で、
ここは屋台でもレストランでもなく、
その中間にある大衆食堂の少し上のレイヤーに位置している。
粉ものの店としての完成度
華饌は、小籠包の店ではない。
「麵食館」という名前の通り、
点心と麺料理を中心とした“小麦文化”の店だ。
・蔥油餅
・牛肉捲餅
・小籠湯包
・排骨麺
・刀削麺
・豆沙鍋餅
厨房では、麺を打つ音と、
生地を叩く乾いた音が続いている。
小籠湯包は、誰が食べても美味しい整った味で、
スープも多く、食べやすい。
ただ、この店で印象に残るのは、
点心の“脇を固める料理”の存在感だと思う。
周りのテーブルを見ると、
蒸籠よりも、焼いた餅や麺類が先に着地している。
店を支えるのは「家族の風景」
週末の夜は、ほとんどが家族連れだ。
三世代で来ているグループも多い。
店員の動きは早く、注文の声が飛び交い、
料理がどんどん運ばれてくる。
この喧騒は、落ち着かないというより、
街の生活音に近い。
静かさやストイックさを求める店ではなく、
人が集まること自体が価値になっている食堂。
そんな役割を果たしているように感じた。
都市の中の、安定した拠点として
旅行者の立場から見ると、
“いつ行っても混んでいる”という事実は、
とても頼もしい。
迷ったらここに来れば間違いない、
そんな安定の1軒が街にあるのは、
地元の人にとっても、観光客にとっても心強い。
華饌は、そういう存在だと思う。
住所: 高雄市苓雅區五福一路79號
営業時間: 11:00 – 14:00 / 16:30 – 21:00
アクセス: MRT文化中心駅から徒歩数分。高雄市文化センターのすぐ近く。
地図: https://maps.app.goo.gl/eT5LsJ95YrqENgfo6
家族連れが絶えない大衆麺食堂。点心と粉ものが特に強い。
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