―― マンゴーの城と、冬に現れるイチゴの要塞 ――
店の名前は
芒果好忙。
直訳すれば「マンゴーは忙しい」。
だが、12月から3月にかけてここを訪れると、
マンゴーは驚くほど静かだ。
代わりに店を占拠しているのは、
真っ赤なイチゴである。
この店は、
夏はマンゴーの城になり、
冬になるとイチゴの要塞へと姿を変える。
名前は変わらない。
支配者だけが入れ替わる。
高雄式の過剰なおもてなし
場所は高雄・左営。
巨蛋アリーナの近くだ。
台北のかき氷が
「食後のデザート」だとすれば、
ここで出てくるものは、ほとんど食事に近い。
夏のマンゴー雪花冰は、
丼から決壊しそうな量で出てくる。
カットされた果肉が山を作り、
その上に、
ソフトボール大のマンゴーアイスが二つ。
価格は、
台北の有名店より控えめだ。
細かい説明はない。
腹一杯食え、という意思だけがある。
この無言の圧力が、
高雄らしい。
プリンという異物
メニューの隅に、
布丁、という文字がある。
数十元を追加すると、
巨大なプリンが一つ、
氷の上に置かれる。
なぜ、
ふわふわの氷に、
ぷるぷるの物体を載せるのか。
理由は単純だ。
台湾人が愛する食感、
Qのためである。
雪花氷の綿。
果物の柔らかさ。
そこに、跳ね返すような弾力を足す。
プリンは装飾ではない。
構造の一部だ。
冬、イチゴが全てを覆う
台湾の冬は短い。
だが、イチゴの季節は確実に来る。
冬の芒果好忙では、
氷が見えない。
深紅の果実が、
全面を覆っている。
量は、夏と同じだ。
一切、手加減がない。
マンゴーが
甘さで押し切る存在なら、
イチゴは違う。
酸味がある。
練乳と組み合わさり、
ミルク氷の重さを中和する。
このシステムでは、
実はイチゴの方が合理的なのかもしれない。
黄と赤が同居する瞬間
季節の端境期には、
禁断の組み合わせが現れる。
芒果草莓冰。
黄色と赤が、
一つの丼に並ぶ。
どちらかを選ばなくていい。
強欲が、許可される。
味は整理されていない。
だが、それでいい。
この店は、
秩序より量を優先する。
忙しいのは果物だけではない
この店が混む理由は、
量だけではない。
旬の果物を、
一番いい時期に、
一番分かりやすく出す。
夏は黄色い山と向き合い、
冬は赤い山に挑む。
余裕があれば、
プリンを追加する。
芒果好忙は、
一年を通して、
胃袋を休ませない。
住所: 813高雄市左營區富民路401號
営業時間: 12:30 – 21:30(不定休)
アクセス: MRT紅線「巨蛋(Kaohsiung Arena)」駅 4番出口から徒歩約3分。
地図: https://maps.app.goo.gl/Y2sTAe2c6S2auoTE6
店名は「マンゴーは忙しい」の意。高雄を代表する「量とコスパ」の怪物店。夏はマンゴー、冬はイチゴが丼を埋め尽くす。食感のアクセントに「布丁(プリン)」の追加トッピングがおすすめ。



