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台北・中正区 城中市場 老牌牛肉拉麵大王についての記録

台北駅の南側、駅前の大通りから少し外れた場所に、
城中市場という古い商業区画がある。
近代的な駅舎やビルから数分。
そこを抜けると街の空気が少し濃くなる。

細い路地が重なり、
建物の間隔が詰まっていて、
光の入り方も少し違う。
観光地というより、生活の背面のような場所に近い。

その城中市場の一角に、
老牌牛肉拉麵大王がある。


路地の奥にある店

場所はわかりやすいわけではない。
ただ、城中市場の路地を少し歩いていると、
人が吸い込まれていく場所が見えてくる。

中に入ると、ほぼ満席のことが多い。
時間帯に関係なく客が途切れず、
席が空くとすぐに次が入る。

回転は速い。
長居する場所ではない。
ここでは、さっと食べて、さっと出るのが自然な流れになっている。

店員は観光客慣れしていて、
緊張する必要はない。
日本語メニューもあるが、
「ジャージャー麺」と言えばすぐに伝わる。


城中市場という場所

城中市場は、戦後の商業発展とともに形成され、
台北駅を利用する人々の生活と結びつきながら広がってきたとされる。
卸と小売、屋台と食堂、雑貨店などが混在し、
流通と日常が折り重なるエリアとして機能してきた。

再開発の波の中で姿を変えつつも、
路地の構造や、店の配置には、
過去の時間がそのまま残っている。

老牌牛肉拉麵大王は、
その時間の中に埋め込まれた一軒に見える。
新しさより、使われ続けてきたことの蓄積が表に出ている。


ジャージャー麺という選択

注文したのは炸醬麺(ジャージャー麺)。
この店では、多くの客が同じものを頼んでいる。

太めの麺に、
濃い味付けの肉味噌がかかる。
脂とにんにくの香りが前面に出る。
口に入れた瞬間に、
甘さ、塩気、油分が一気に広がる。
軽い食事ではない。

よく混ぜながら食べると、
味の濃さと油分の重さがはっきりと伝わってくる。
舌に残る感覚も長く、
食後しばらくは口の中に余韻が残る。

静かな味ではないが、
雑な強さではない。
濃さの方向がはっきりしていて、
それをそのまま押し出してくる感じがある。

一緒に出てくるスープは、
しょうゆベースで、意外に穏やかだ。
ジャージャー麺の強さのあとだと、
輪郭を少しだけ整えてくれる。

店を出ると、路地にはまだ店の余韻がある。
注文を呼ぶ短い中国語、油の匂い。
数十メートル歩くだけで、その気配は少しずつ薄れていく。
ただ、口の中には、さっきの濃さがもうしばらく残っている。


覚悟とリズム

この店は、
行けば快適に食事ができる店ではない。
狭さも、混雑も、匂いも、そのままにある。

ただ、そのリズムを受け入れられれば、
店の空気には入りやすくなる。

城中市場の中には、
他にも古い食堂や小さな屋台が並んでいる。
どの店も、同じ空気の中で息をしている。

老牌牛肉拉麵大王は、
その流れの中にある一つの選択肢にすぎない。
ただ、強めの一択ではある。


城中市場 老牌牛肉拉麵大王

住所: 台北市中正區重慶南路一段46巷7號

営業時間: 10:00〜20:00 (無休)

アクセス: 台北駅または西門駅から徒歩約10分。城中市場のアーケード内。

地図: https://maps.app.goo.gl/Cc83kkmokSWX7EU59

「ジャージャー麺」と言えばそれで伝わる。


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