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高雄・新興区 六合路肉燥飯についての記録

六合夜市を歩いていると、どうしても視線は派手な方へ引っ張られる。
明るい照明、山盛りの具材、写真を撮る人の列。

その少し外側。
同じ夜市の通りにありながら、明らかに空気が違う一角がある。
それが、六合路肉燥飯だ。


看板と現実のズレ

店名だけを見ると、肉燥飯の店に見える。
実際、肉燥飯もちゃんとある。南部らしい、やや甘めで軽い脂の丼だ。

けれど、客の多くが頼んでいるのは別のものだ。
テーブルを見渡すと、湯気を立てるのは海鮮粥鱸魚湯ばかり。

看板に偽りあり、というより。
「わかっている人だけが、自然に正解を選んでいる」
そんな空気が流れている。


映えない海鮮粥

六合夜市には、海鮮粥の有名店がある。
具材が豪快に盛られ、写真映えする一杯だ。

一方、六合路肉燥飯の海鮮粥は地味だ。
色も茶色く、派手さはない。

けれど、スプーンを入れるとすぐにわかる。
魚介の出汁が、米の一粒一粒にまで染みている。
牡蠣、ハマグリ、イカ。主張しすぎない具材が、スープの厚みを支えている。

ここは「具を食べる粥」ではなく、
出汁を食べる粥だ。


優しい鱸魚湯

もう一つ、静かに人気なのが鱸魚湯(スズキのスープ)
澄んだスープに、淡白な白身。

台湾では滋養食として知られていて、
病後や産後に飲まれることも多い。

旅の途中で、胃が少し疲れている時。
派手な夜市料理の合間に、これほどちょうどいいものはない。

塩気は控えめ。
味を足す必要もない。


六合夜市の「端」

場所は、六合夜市の端っこだ。
ここだけは屋台ではなく「食堂」の時間が流れている。

観光客の声より、
地元の会話と食器の音の方がよく聞こえる。

行列に並ぶこともない。
写真を撮る人も少ない。

ただ、黙々と出汁をすする人がいるだけだ。

六合路肉燥飯は、
「見栄えよりも中身」を選ぶための、
ちょうどいい場所にある。

夜市の喧騒の中で、
一歩だけ引いた選択。


六合路肉燥飯

住所: 800高雄市新興區自立二路112號

営業時間: 09:00 – 20:30 (火曜定休)

アクセス: MRT美麗島駅 11番出口から徒歩約5〜8分。六合夜市の西端近く。

地図https://maps.app.goo.gl/ijsGHd4BPr7EGisw8

看板は「肉燥飯」だが、多くの客が「海鮮粥」や「鱸魚湯」を注文する。派手さはないが、出汁が効いた滋味深い味が特徴。


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