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高雄・Louisa Coffee 大立店についての記録

高雄の昼は、容赦がない。
中央公園のそばに立つ大立百貨に近づくころには、体の表面が一段階熱を帯びている。

建物の外観は少し不思議だ。
どこか80年代の未来像を引きずったような、モザイク調の壁面。
新しくはないが、完全に古くもない。

暑さから逃げるように中へ入る。
目指すのは、いつものオレンジ色の看板だが、
ここにあるルイーサは少し違うらしい、という話を聞いていた。


本棚と珈琲の香りが混ざる場所

エスカレーターを上がり、店に足を踏み入れた瞬間、
少しだけ戸惑う。

見慣れた生活感のあるルイーサではない。
蔦屋書店とフロアがつながり、視界の大半を本棚が占めている。

照明は落ち着いていて、木の色が多い。
カフェというより、静かなラウンジに近い。

ここがチェーン店だという事実が、一瞬だけ頭から抜ける。
この空間を、あのオレンジ色の看板が提供していることに、
軽いズレを感じる。

価格と空間の関係が、少しだけ歪んでいる。
その歪みが、心地いい。


円環を見下ろす特等席

注文を済ませ、窓際のカウンター席を探す。
ここが、この店の核心だ。

目の前は、大きなガラス窓。
眼下には五福路のロータリーが広がっている。

スクーターと車が、途切れずに円を描く。
信号が変わり、流れが切り替わる。
奥には中央公園の緑と、高雄の空。

自分は、冷房の効いた静かな場所にいる。
外は灼熱と騒音の世界だ。

このガラス一枚の隔たり。
その断絶こそが、都市のカフェが持つ最も贅沢な機能だと思う。


一杯のコーヒーで買う余白

莊園級美式を一口飲む。
味は、よく知っているルイーサの味だ。

ただ、この景色が加わると、
それだけで役割が変わる。

本を開いてもいいし、
ただ信号の切り替わりを眺めていてもいい。

旅の途中で散らかった思考を、
ここで一度、平らに戻す。

この場所は休憩所ではない。
街を鑑賞するための、屋内展望台に近い。


日常の中にある非日常

高雄には、無数のルイーサがある。
それでも、わざわざここに来る理由がある。

数十元で手に入る、
都市の特等席。

カップの中の氷が溶けきるころ、
外の熱気に戻る準備が整う。

また歩き出すための、
ちょうどいい余白が、ここにはある。

Louisa Coffee 路易莎咖啡(高雄大立蔦屋門市)

住所: 801高雄市前金區五福三路59號2樓(大立百貨A館 蔦屋書店内)

営業時間: 11:00 – 21:30

アクセス: MRT中央公園駅(Central Park Station)から徒歩約10分。五福路のロータリーそば。

地図https://maps.app.goo.gl/bWeaMpaM9hF49GVe6

「台湾で最も美しいルイーサ」の一つ。蔦屋書店(TSUTAYA BOOKSTORE)と一体化した店舗で、落ち着いた空間が広がる。窓際の席からは五福路のロータリーと中央公園を一望でき、街の景色を眺めながら休憩するのに最適。


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