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セブンがファミマを上回る理由についての記録 | 台湾

台北の通りを歩いていると、赤い看板と緑の看板が交互に目に入る。
セブンイレブンは約6800店。
ファミリーマートは約4200店。
体感としての差と、数字の差はほぼ同じだ。

どちらも明るく、冷房が効き、同じような時間帯に開いている。
日常で使うとき、どちらを選んでも大きな違いはないはずだ。
それでも店舗数だけは大きく開いている。


商品とサービスの差を比べる

棚を眺めると、弁当も飲み物も両者とも揃っている。
温かい食事、スナック、冷蔵食品。
必要なものはどちらでも見つかる。

セブンは飲料や麺の種類が多い印象がある。
ファミマはソフトクリームやデザートの展開が早かった。
アプリの使い勝手はファミマが先を行く場面もある。

公共料金の支払い、荷物の受け取り、プリントサービス。
これも両チェーンとも同じように対応している。
商品やサービスだけを見る限り、どちらが優れているかは判断しづらい。


それでも差が開く理由

品揃えもサービスも拮抗している。
それでも店舗数だけは大きく違う。
街角の風景の差を説明しようとすると、最後に一つの構造に行き着く。

台湾セブンイレブンの親会社は、統一企業。
食品、飲料、物流、小売。
台湾の生活に関わる分野を広く持つ巨大グループだ。
台湾のスターバックスも統一が親会社だ。

統一麺、茶裏王、布丁。
街で見かける多くの食品が、統一の製品だ。
自社で作り、自社で運び、自社のコンビニで売る。
この仕組みそのものが、出店の速度と広がりを支えている。

統一は冷蔵・冷凍物流も早く整備した。
災害時に棚が空になりにくい。
新商品も安定して供給できる。
こうした基盤が、そのまま都市の地図に反映された。


ファミリーマートの工夫

ファミマは独自の商品に力を入れ、アプリやデジタル施策では先行する部分もある。
ソフトクリームは街角でよく見かけるヒット商品になった。
外食文化の台湾では、こうした一点突破型の商品が強みになりやすい。

ただ、食品製造と物流網をまとめて持つ統一企業とは、構造が違う。
どれだけサービスを改善しても、供給の基礎体力に差がある。
出店の速度が違えば、街の風景にも差が出る。


看板の数が示すもの

夜の通りに立つと、赤い看板がいくつも連続して見える。
生活の機能としては同じでも、街の分布は片方に寄っている。

商品やサービスでは甲乙つけがたい。
ただ、背後にある企業の規模と物流の厚さ。
それが、静かに店舗数を分けていった。


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