台湾のパイナップルケーキの産業史についての記録
台湾土産の定番、鳳梨酥を割ると、餡は思い描いていたほどパイナップル色ではない。店先には、なめらかで甘い餡の品と、酸味と繊維を前面に出した品が並んでいる。
台湾土産の定番、鳳梨酥を割ると、餡は思い描いていたほどパイナップル色ではない。店先には、なめらかで甘い餡の品と、酸味と繊維を前面に出した品が並んでいる。
台湾のカフェで渡されるストローは、紙のように見えない。氷入りのドリンクに長く差してもふやけず、タピオカを吸っても形を保ったまま、飲み物の味や香りを邪魔しない。
台北の夜市へ向かう人々は、飲み物を手で持たず、底のない小さな帯にカップを預けて歩いている。手首で揺れるカップは、袋でもストラップでもない。
台北のドリンクスタンドでは、注文を受けてからカップの口に透明なフィルムを張る。密閉されたカップは袋に入れられ、次々とバイクのフックへ掛けられていく。
ベトナム中南部、標高1,000メートルを超える赤土の高原に、青心烏龍や金萱の茶畑が広がっている。畝の間隔や作業道のつくりまで、遠く離れた台湾中部の産地とよく似ている。
緑、白、赤、黄、褐色の茶葉が混じり、形も小さく縮れている。枯れかけた雑草のようなその茶が、台湾茶の最上位に置かれている。
標高1,000メートルを超える雲林や嘉義の茶畑には、緑の段々のあいだにコーヒーの赤い実が混じっている。製茶工場の前では、茶葉の青い香りに発酵と焙煎の匂いが重なり、山の産物が一つではないことを感じさせる。
台北のカフェでは、台湾産コーヒーがパナマ・ゲイシャやブルーマウンテンと並び、一杯二千〜三千円の値札を付けている。茶の島として知られる台湾で、山の斜面から届く一杯だけが、別の尺度で扱われている。
阿里山や杉林渓の茶畑は、車もすれ違いにくい山道の先、霧の出る斜面にある。平地なら機械と短い周期で回せる茶葉が、ここでは寒さの中でゆっくり葉を広げている。
初夏の台湾の市場では、マンゴーが何か月も棚の中央に並ぶ一方、ライチは赤い姿のまま現れて、二、三週間ほどで消えていく。同じ南国の果実でも、店頭にいられる時間には大きな差がある。