台湾の片隅– category –
台湾の街の片隅で食べたもの、歩いた道の記録をまとめていく予定。
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台湾の片隅
台北-基隆の緊迫感を日本にあてはめて考えてみる
―― 台北に瀬戸内海は存在しない ―― 基隆に向かう列車を待つ間、地図を眺めていて気づいた。台北という都市には、日本でいうところの瀬戸内海に相当する地形がない。外力を弱め、時間を稼ぐ巨大な内海のクッション。それが、台北にはほとんど存在しない。 ... -
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台湾・北東アジア・ゴールデンフライトサークル
―― 空の地下鉄網 ―― 台北・台北松山空港の出発ロビーで窓際に座る。 ガラスの向こうには、日本の航空会社の機体が並び、その間に中国東方航空と大韓航空の尾翼が混ざっている。 見慣れた塗装が、ほとんど同じ距離感で並んでいる。 ここから飛び立つ便の行... -
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台北の松山空港についての記録
―― 軍民共用のもう一つの玄関―― 羽田からの便で台北へ向かうと、着陸直前に視界が急に近づく。 窓の外には、古いアパートの屋上に置かれた黒い貯水槽が見える。洗濯物が揺れ、ベランダの鉄格子が手の届きそうな距離まで迫る。道路ではスクーターが列をなし... -
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台湾の蒸し餃子(蒸餃)についての記録
―― 小籠包を飲み込んだ麵食館 ―― 台湾で蒸餃(ヂェンジャオ)を食べようと思うと、少し困る。 蒸餃専門店というものが、ほとんど存在しないからだ。 焼き餃子なら鍋貼(グォティエ)専門の店がある。水餃子なら水餃(スイジャオ)だけを売る店がある。しか... -
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台湾の焼き餃子(鍋貼)についての記録
―― 水餃子とは別種の餃子 ―― 台湾の食堂で「餃子」と書かれた文字を見て注文すると、鉄板の音は聞こえてこない。運ばれてくるのは、白くて湯気をまとった水餃子ばかりだ。 焼かれたものを食べたい場合、探すべき漢字は別にある。それが「鍋貼(グオティエ... -
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台湾・水餃子(水餃)についての記録
―― 日本人最大の誤解 ―― 夕方の市場通りを歩くと、赤い文字で「水餃(シュイジャオ)」と書かれた看板がいくつも並んでいる。 ガラス越しの店内では、丸いテーブルを囲んで家族が黙々と餡を包んでいる。 母親が皮を広げ、祖母が具を置き、子どもが端をつま... -
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台南 鯤鯓(クンシェン)の謎についての記録
―― 消えた「7頭のクジラ」と、オランダ支配を終わらせた泥 ―― 台南を歩いていると、「鯤鯓(クンシェン)」という地名に出会う。海から離れた陸地に、なぜ「クジラの背中」という字が残るのか。 理由は単純で、ここはもともと海だった。17世紀、台南の沖合... -
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台南 消えたラグーンと古都についての記録
―― 海が陸になり、港が街になった場所 ―― 台南の街を歩くと、不思議な感覚にとらわれる。古いものがそのまま残っているようでいて、しかし地図を見ると、街の輪郭は妙に海から遠い。 静かな路地、赤レンガの廟、乾いた風。ここは確かに「古都」なのに、海... -
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高雄・旗津(チージン) 高雄港の原点についての記録
―― 港を守る「天然の防波堤」 ―― 高雄港が天然の良港と呼ばれる理由は、地図を見ると一目で分かる。沖に向かって細長く伸びる砂州──旗津(チージン)。 この一本の砂の壁が、台風や台湾海峡の荒波を正面から受け止め、内側に鏡のような静水域を生み出して... -
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高雄生い立ち。造られた街についての記録
―― 湿地を削り、海を深くし、船を呼び込んだ港の物語 ―― 海沿いを歩くと、どこか人工的な静けさがある。倉庫、クレーン、運河。どれも人間の意図が詰まりすぎていて、自然発生した街とは違う気配がある。 高雄は、最初から輸出のために設計された港町だ。 ...