台湾の片隅– category –
台湾の街の片隅で食べたもの、歩いた道の記録をまとめていく予定。
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台湾の片隅
高雄・愛河についての記録
―― 運河として生まれ、川として呼ばれるまで ―― 昼下がりの愛河沿いを歩く。舗装された遊歩道は広く、ベンチは等間隔に置かれ、植え込みは手入れが行き届いている。 ジョギングをする人、犬を連れた家族、木陰でスマートフォンを眺める若者。ここにあるの... -
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高雄・前鎮区 夢時代についての記録
―― 工場跡に置かれた巨大モール ―― 高雄の南側、港に近い一帯は、長く工場の土地だった。統一企業(Uni-President)の創業地に近く、醤油、飼料、製油などの製造拠点が集まっていた場所である。 2000年代初頭、統一グループはこの一帯の機能転換を決めた。... -
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高雄・前金区 漢神百貨本店についての記録
―― 北と南で役割が分かれた都市 ―― 高雄で百貨店の話題になると、多くの視線は北へ向かう。新幹線とMRTが交差する場所に立つ漢神アリーナだ。 人は多く、回転は速い。若い客層と新しい消費が、日常的に流れ込む。 一方、南にある漢神百貨本店は、同じ名前... -
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高雄の街が南に延びない理由についての記録
―― 地図を広げたときの違和感 ―― 高雄の地図を眺めると、ある偏りに気づく。左営や楠梓といった北側は、山が近いにもかかわらず、街が連続している。高層住宅や新しい区画が、途切れずに並ぶ。 一方で、前鎮や小港といった南側は、平地が広がっているよう... -
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高雄・左営区 漢神アリーナについての記録
―― 都市の重心が北へ移動した日 ―― 高雄には大小さまざまな百貨店が存在する。だが、その中で売上という一点で見たとき、漢神アリーナは突出している。 週末のフードコートは常に満席。鼎泰豊には平気で2時間待ちの行列ができる。 これは「人気スポット」... -
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台湾の紅油抄手についての記録
―― 小籠包の隣に置かれる赤い油 ―― 皿が置かれた瞬間、まず目に入るのは色だ。白く、ほとんど無防備に見えるワンタン。その下に溜まった、異様なほど赤い油。 紅油抄手は、視覚的に強い料理である。茹でたばかりの皮は、まだ水分を含み、薄く光を反射する... -
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台湾の牛肉湯についての記録
―― 火を使わないという中華料理の異端 ―― 厨房を覗いて、少し拍子抜けする。鍋で何かを煮込んでいる気配がない。 丼の底に敷かれているのは、生の牛肉の薄切りだ。そこへ、透明で沸騰した出汁を一気に注ぐ。それだけで調理は終わる。 数十秒のあいだに、肉... -
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台湾の大根餅についての記録
―― 白い直方体が黄金色になるまで ―― 台湾の大根餅は、朝に食べられる。すりおろした大根と米粉を練って焼いた料理で、餅と書いてあるが、餅米の餅ではない。 英語のメニューに並ぶ Turnip Cake という表記は、最初の罠だ。そこにあるのはカブではなく、白... -
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台湾の苦瓜湯についての記録
―― 白玉苦瓜の清涼感 ―― 「ゴーヤ」と聞いて、日本人が思い浮かべるのは、濃い緑色で、表面がゴツゴツした野菜だろう。 しかし台湾のスープに入っている苦瓜は、色が違う。器の中で目立つのは、半透明の白だ。 正式には「白玉苦瓜」。長い時間をかけて改良... -
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台湾の排骨湯についての記録
―― 二つの色を持つスープ ―― 食堂の壁に、ただ「排骨湯」と書かれている。それだけでは、どちらが来るのか分からない。 白い澄んだスープか。それとも、赤茶色に濁った一杯か。 台湾の排骨湯には、最初から二つの顔がある。そしてこの二つは、味の濃淡の違...