台湾の片隅– category –
台湾の街の片隅で食べたもの、歩いた道の記録をまとめていく予定。
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台湾の片隅
雨の要塞・基隆についての記録 | 台湾
―― 北の端に置かれた、雨に濡れる前線基地 ―― 台湾最北端の港町・基隆(キールン)は、台北とは別の島のように雨が多い。冬の北東季節風が山にぶつかり、雲が留まり、雨が途切れない。年降水量は台北の倍以上になることもある。 傘をさすか、あきらめて濡... -
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台北の始まり。要塞都市の影についての記録
―― 川と城壁がつくった、守るための首都 ―― 台北駅のまわりを歩くと、街は平坦に広がっているように見える。けれど、この都市は最初から「暮らすため」に選ばれたわけではない。台北は、防衛と統治を目的として形づくられた。街の明るさの奥に、かすかな緊... -
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騎楼(チーロウ/亭仔脚)についての記録 | 台湾
―― 騎楼という、街に連続する日陰 ―― 歩いていると、ふと気づく。台湾の商店街には、どこまでも「日陰」が続いている。建物の1階が奥へ引っ込み、その前に屋根のような通路が伸びていく。騎楼(チーロウ/亭仔脚)。雨と陽射しの強いこの島では、ごく当た... -
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台湾の虱目魚(サバヒー)についての記録
―― 222本の小骨と戦う「国民魚」 ―― 台南の朝は早い。 夜明け前から、養殖池のそばの食堂に火が入る。大きな鍋に透明なスープが張られ、銀色の魚が次々と沈められていく。 客はまだ眠い顔で椅子を引き、湯気の立つ丼を両手で受け取る。言葉は少なく、音も... -
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台湾の「包(パオ)」と「餃(チャオ)」についての記録
―― 小麦の二つの系譜 ―― 台湾の食堂の壁には、赤い短冊のようなメニュー札が並んでいる。水餃、湯包、胡椒餅、生煎包。 日本人の目には、どれも似たように見える。小麦粉の皮で肉を包んだもの。その違いは形状か、焼くか蒸すか程度だと受け取られがちだ。 ... -
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魯肉飯=TKG(たまごかけごはん)説を唱えてみる | 台湾
―― 魯肉飯とTKGの比較文化論 ―― 昼過ぎの街を歩いていた。魯肉飯の店の前だけ、途切れず人が吸い込まれていき、同じ数だけ出ていく。特別な看板があるわけでもなく、観光客が行列を作っているわけでもない。ただ、そこだけ少し、せわしない空気がある。 そ... -
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台中・北区 吳家莊頂級牛肉麵についての記録
―― ほんのり甘い紅焼、丼を覆う肉の圧力 ―― 台中・北區。車通りの多い通りから一本入っただけなのに、空気が少しゆるむ。その路地の奥に「吳家莊頂級牛肉麵」はある。 名前に頂級(プレミアム)とついているが、店構えは質素だ。派手な看板もない。けれど... -
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台中・南屯区 一碗牛肉麺についての記録
―― 文青風(文芸青年風)の空気をまとった、現代の牛肉麺 ―― 南屯の向心路。古い街並みの中に、少し雰囲気の違う店があった。白い看板、木目調の扉、開いた窓から見える柔らかい光。牛肉麺の店というより、小さなカフェのようだった。 この「文青風」の空... -
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台中・南屯区 鮮道口福牛肉麵についての記録
―― 南屯の通りに漂う、牛骨スープの匂い ―― 南屯の向心路を歩いていると、静かな住宅と商店が入り混じる。昼でも夜でも、大きな声が響くわけではなく、生活の延長としての音だけがある。その一角に、湯気が外へ流れ出ている店があった。 鮮道口福牛肉麵。... -
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台中・南区 熊家湯包についての記録
―― 忠孝夜市に浮かぶ、湯気の中心 ―― 忠孝夜市の通りを歩くと、蒸し籠から立ちのぼる湯気が道に流れ込んでいる場所がある。近づくと、注文を告げる声と、蒸気のはじける音が混ざり合い、夜市の雑多な空気の中で一点だけ温度が高い。 熊家湯包。小籠包の店...