台湾の片隅

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食文化の記録

台湾の牛肉湯についての記録

厨房の鍋に肉はなく、丼の底に並んだ赤い薄切りへ、沸騰した透明な出汁が注がれていく。数分後には淡いピンクが茶色に変わる、夜明けの短い料理だ。

台湾の大根餅についての記録

台湾の朝食屋で鉄板に並ぶ大根餅は、焼く前には白く角ばった無表情な塊に見える。油を吸って焦げ目が浮かぶと、同じ食べ物とは思えないほど黄金色と香ばしさを帯びる。

台湾の苦瓜湯についての記録

台湾の苦瓜湯に浮かぶ苦瓜は、濃い緑ではなく、脂身や鉱石のように半透明の白い姿をしている。口に残る苦味を知りながら、疲れた日にこのスープを自分から注文する人もいる。

台湾の排骨湯についての記録

食堂の壁に「排骨湯」とだけ書かれていても、運ばれてくる一杯の色までは分からない。白く澄んだスープの隣には、衣と油で赤茶色に濁った別の排骨湯がある。

それぞれの大饂飩についての記録

台北の街には、黄色い地に赤い虎を置いた餛飩店の看板が今も残っている。一方で、本家とされる店の看板は白くなり、かつて目印だった色が店の境界を示さなくなっている。

台湾の饂飩湯についての記録

台湾の饂飩湯を箸で持ち上げると、向こうが透ける皮が湯の中で長く揺れる。肉を包んだ料理のはずなのに、口に入るのは噛むより先に喉へ滑っていく白い膜とスープだ。

台湾の魚丸湯についての記録

澄んだスープに浮かぶ魚丸は、白くなめらかで、貢丸よりも手作りの歪みが残っている。箸で割ると、その静かな見た目からは想像しにくい熱い豚肉餡が現れる。

台湾の猪血湯についての記録

透明なスープに沈む赤黒い直方体は、運ばれてきた瞬間に目を止めさせる。ところが口に入れると、鉄の味も生臭さもなく、豆腐より少し締まった塊が静かにほどける。

台湾の酸辣湯についての記録

台湾の餃子店では、酸辣湯が餃子と並ぶ定番として、濁ったスープの中に豆腐やタケノコ、キクラゲを細く揃えて浮かべている。どの店も似た一杯に見えるが、具材が口の中でばらけるか、とろみと一体になるかには差がある。

台湾の貢丸湯についての記録

台湾の食堂で、透明なスープに浮かぶ灰色の団子は、魯肉飯の脇で目立たずに置かれている。ところが歯を入れると、柔らかい肉団子の予想に反して、強く跳ね返り、最後に「パツッ」と切れる。