台湾の鶏肉飯についての記録
白いご飯に細く裂いた肉をのせ、沢庵を二切れ添えた小さな丼。台北の街では、その控えめな料理に「嘉義火鶏肉飯」という同じ看板がいくつも掲げられている。
白いご飯に細く裂いた肉をのせ、沢庵を二切れ添えた小さな丼。台北の街では、その控えめな料理に「嘉義火鶏肉飯」という同じ看板がいくつも掲げられている。
台湾の小さな早餐店では、蛋餅や飯糰の隣にハンバーガーとサンドイッチが並び、飲み物の欄には豆乳、紅茶、コーヒーが同じ大きさで載っている。壁一面のメニューには、朝食らしい順序が見当たらない。
台湾のマンゴーかき氷を前にすると、日本の夏祭りで見慣れたシロップ氷の記憶が追いつかない。器の中では氷が見えなくなるほど果肉が積み上がり、かき氷の主役が入れ替わっている。
玉井の青果市場では、体育館のような屋根の下に、視界の端から端までマンゴーの籠が並んでいる。郊外へ出ると、果樹園の木々には白い紙袋が無数に浮かび、果実より先にその景色が目に入る。
魯肉飯や肉団子スープを並べると、食卓は湯気まで含めて茶色く見える。そこに運ばれてくる燙青菜は、茹でた葉を想像していると少し意外な姿をしている。
台湾の豆花屋で招牌の印を探すと、最上段にあるのは具材のない「原味豆花」だった。白い豆花と糖水だけの丼が、店の看板として置かれている。
台湾のローカル食堂では、乾麺や湯麺、餛飩麺が赤い短冊に並び、漢字は読めても店の事情までは見えてこない。そんな壁の中で、「招牌」の二文字だけが、料理名とは少し違う顔をしている。
台湾の夜市で「豆花」を頼むと、白い豆腐の代わりに黄色、茶色、白のぷるぷるした塊が器に並ぶことがある。ひと口食べても大豆の香りはなく、卵プリンやチョコプリンに近い。
台湾で豆花を頼むと、白い豆腐はピーナッツや豆、タピオカ、芋団子の下に隠れている。香港や広東で見た、豆腐とシロップだけの静かな丼とは、同じ名前でも見た目からして違っていた。
台湾の夜市で、胡椒餅は赤く熱せられた円筒形の窯の内壁に一つずつ貼り付けられて焼かれている。かじると、ふわりとした饅頭より先に、持ち運べそうな硬い皮の抵抗が返ってくる。