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食文化の記録
台湾・新竹での貢丸作りについての記録
―― 新竹の風と、黒い斑点 ―― 新竹の城隍廟の周辺を歩くと、屋台や食堂の並び方に、ある種の規則性があることに気づく。 新竹米粉。そして、その隣に貢丸湯。 観光客向けの「名物セット」として説明されることが多いが、この二つが並ぶ理由は、単なる語呂合... -
街角の記録
高雄85大樓の誕生についての記録
―― 1997年、85大樓が「希望」だった頃 ―― 1990年代半ばの高雄は、今よりも空気が重く、そして熱かった。 世界第3位のコンテナ取扱量。港には船が列をなし、加工出口区の煙突からは昼夜を問わず煙が吐き出されていた。 街全体が巨大なエンジンのように振動... -
食文化の記録
台湾・葱油餅 vs 蛋餅についての記録
―― 旅行者を惑わす、小麦と卵とネギ ―― 台北や台中の朝食屋に入ると、壁のメニューに二つの似た言葉が並んでいる。葱油餅と、蛋餅。どちらも小麦粉が使われ、卵が入り、刻んだネギが散らされている。見た目も名前も近いため、旅行者の多くはこれを同じ料理... -
食文化の記録
台湾・葱油餅 vs 葱抓餅についての記録
―― 同じDNAが生んだ食感の静と動 ―― 台湾の屋台の前に立つと、似た二つの言葉が並んでいることがある。葱油餅と、葱抓餅。 どちらも小麦粉を練り、ネギを入れ、油で焼いたものだ。材料はほぼ同じに見える。それでも、屋台はこの二つを別の名前で呼び分けて... -
食文化の記録
台湾の葱油餅についての記録
―― お好み焼きのような一枚 ―― 台湾の街角では、鉄板の上でヘラが生地を叩く「パン、パン」という音が頻繁に聞かれる。 同時に、ラードとネギが焦げる匂いが、路地の空気に混じっていく。 葱油餅(葱抓餅)とは何かと問われれば、小麦粉、水、ネギ、塩、油... -
食文化の記録
台湾・タピオカミルクティーの伝道師についての記録
―― 資本戦争と、動かない王者「50嵐」 ―― 今では、タピオカミルクティーは特別な飲み物ではない。東京の駅前でも、パリの商店街でも、ニューヨークのショッピングモールでも、黒い粒の入った甘いミルクティーを手軽に買うことができる。 それはもはや台湾... -
食文化の記録
台湾の熱豆漿についての記録
―― いつか見た警察官の流儀 ―― 高雄の朝。時計はまだ八時を回ったばかりだが、路上の空気はすでに重く、湿っている。コンクリートは夜の熱を手放しきれていない。店先の鉄板から立つ湯気と、排気ガスと、蒸した豆の匂いが混ざり合う。 朝食屋のプラスチッ... -
食文化の記録
台湾の地瓜球についての記録
―― 黄金色のサツマイモボール ―― 夜市の一角で、人だかりができている。理由ははっきりしている。 巨大な中華鍋(Wok)の中で、黄金色と紫色の球体が無数に踊っている。 ザッ、ザッ、という油を切る音。それに混じって、金属が鍋肌をこする乾いた響きが続... -
食文化の記録
台湾のサツマイモ(地瓜)についての記録
―― 芋の形をした島に根付く食文化 ―― 台湾の地図を広げると、南北に細長く、やや湾曲していることに気づく。それを台湾人は、よくサツマイモ(地瓜)に例える。 この比喩は冗談ではなく、ほとんど常識に近い。自分たちのことを「芋頭番薯(タロ芋とサツマ... -
食文化の記録
台湾の揚げオレオについての記録
―― 鹽酥雞の隣にある黒いクッキー ―― 夜市で鹽酥雞の屋台を眺めていると、ふと視界に入ってくるものがある。バジルでも、イカでも、鶏皮でもない。黒く、丸く、見慣れた模様。 オレオだ。 最初は見間違いだと思う。だが、よく見ると確かにメニュー表の一角...