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台中・中区 台中第二市場についての記録

「市場」と聞いて想像する、生臭さや怒号はここにはない。
台中第二市場。足元はきれいに舗装され、水たまりもない。

すれ違うのは買い物かごを持った主婦ではなく、スマホを構えた観光客だ。
その中に、こちらも混じっている。

ここはもう、日々の食材を仕入れる場所ではない。
百年の歴史を切り出して並べた、ひとつの完成された装置として存在している。


山河魯肉飯という被写体

市場の中央付近に、途切れない列がある。
先にあるのは山河魯肉飯だ。

器に盛られた魯肉飯は、確かに美味い。
だがそれ以上に、造形が整っている。

照りのある皮、崩れない盛り、角度を選ばない見た目。
生活の糧というより、撮られる前提で設計された食べ物に近い。

味に不足はない。
同時に、ここには「失敗しない観光グルメ」の安心感が置かれている。

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貴族市場から観光市場へ

日本統治時代、この場所は富裕層向けの高級市場として整備された。
清潔で、秩序があり、管理された空間だった。

その後、時代とともに庶民の市場となり、
今は再び、外から来る消費者のための場所へと戻っている。

中央に残る六角楼は、かつては見張りのための建築だった。
現在は、立ち止まって写真を撮るための目印になっている。

用途は変わったが、役割は一貫している。
ここは常に、誰かに「見せる」ための市場だった。


生活はどこへ行ったか

もし台中の生活そのものを見たいなら、
ここから歩いて行ける第五市場に向かう方が早い。

あちらには、観光客向けに整えられていない動線と、
売るためだけに存在している食べ物が残っている。

それでも、第二市場を否定する理由はない。
初めて台中を訪れた人間にとって、
これほど効率よく台中の味を集約した場所は他にないからだ。


割り切って歩く

台中第二市場は、市場の形をした博物館であり、食堂街である。
生活感を探すのは、少し的外れになる。

甘い紅茶を飲み、よく整えられた角煮を食べ、
百年前の建築の輪郭をなぞる。

そうして歩けば、この場所は過不足なく機能する。
床は今日もきれいで、人の流れは滞らない。


台中第二市場

住所: 400台中市中區三民路二段87號

営業時間: 7:00 – 20:00頃 (店により異なる。月曜定休が多い)

アクセス: 台鉄「台中」駅から徒歩約15分。またはバスで「第二市場」下車すぐ。

地図https://maps.app.goo.gl/tuzQhKUHgeXyT3Sq8

1917年開設。中心の「六角楼」がシンボル。昼は「山河魯肉飯」、夜は「李海魯肉飯」と時間帯で主役が変わるのも特徴。「王記」の大根餅や「老頼」の紅茶も必食。


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