―― 都市ごとの分岐点を整理する ――
台湾の主要都市にはMRTがある。
それは規模や人口から見て、必然だったとは言い切れない。
バイク社会であり、道路も比較的広い。
それでも台湾の都市は、繰り返し MRTという重い選択 をしてきた。
ここでは、各都市が
「なぜMRTを選んだのか」
その分岐点だけを整理する。
台北MRT
過密都市が選んだ、地下という唯一の逃げ道
- 盆地
- 高密度
- 道路拡張の限界
台北では、MRTは選択肢ではなく生存戦略だった。
→ 台北MRTについての記録
高雄MRT
都市を作り替えるための、先行投資
- 工業都市からの転換
- BOT方式という無理のある出発
- 赤字と再編の歴史
高雄にとってMRTは、
現在を捌く装置ではなく、未来像を置くための道具だった。
→ 高雄MRTについての記録
台中MRT
作らない理由が先にあった都市の、控えめな一本
- 台鉄中心の構造
- 車社会
- BRTの挫折
台中MRTは、未完成を前提に、最小限の形で置かれている。
→ 台中MRTについての記録
空港MRT
都市の外縁をつなぐ、例外的なMRT
- 通勤路線ではない
- 生活動線でもない
それでもMRT方式が選ばれたのは、
都市と外部を安定して接続する必要があったからだ。
→ 空港MRTについての記録
MRTを選ばなかった場所
LRTという別解
- 高雄LRT:既存市街地の再編集
- 新北LRT(淡海・安坑):郊外開発とフィーダー
すべてを地下に潜らせない、という判断もまた合理的だった。
→ LRTについての記録(※今後追加)
答えはひとつではない
台湾の都市は、
一斉に同じ答えを選んだわけではない。
MRTを敷いた街。
敷かなかった街。
軽く済ませた場所。
それぞれが、
自分たちの速度に合った選択をしている。
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