食文化の記録– category –
台湾の料理はおいしい。とてもおいしい。
街や人の歴史ともかなり近いところにある。
牛肉麺の由来。
弁当文化が根づいた背景。
なぜあの料理がこの土地に残っているのか。
ここでは台湾の食文化や背景を少しだけ掘り下げてみる。
料理をひとつの入り口にして、
街の層を覗いているような感覚に近い。
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食文化の記録
台湾の焼き餃子(鍋貼)についての記録
―― 水餃子とは別種の餃子 ―― 台湾の食堂で「餃子」と書かれた文字を見て注文すると、鉄板の音は聞こえてこない。運ばれてくるのは、白くて湯気をまとった水餃子ばかりだ。 焼かれたものを食べたい場合、探すべき漢字は別にある。それが「鍋貼(グオティエ... -
食文化の記録
台湾・水餃子(水餃)についての記録
―― 日本人最大の誤解 ―― 夕方の市場通りを歩くと、赤い文字で「水餃(シュイジャオ)」と書かれた看板がいくつも並んでいる。 ガラス越しの店内では、丸いテーブルを囲んで家族が黙々と餡を包んでいる。 母親が皮を広げ、祖母が具を置き、子どもが端をつま... -
食文化の記録
台湾の虱目魚(サバヒー)についての記録
―― 222本の小骨と戦う「国民魚」 ―― 台南の朝は早い。 夜明け前から、養殖池のそばの食堂に火が入る。大きな鍋に透明なスープが張られ、銀色の魚が次々と沈められていく。 客はまだ眠い顔で椅子を引き、湯気の立つ丼を両手で受け取る。言葉は少なく、音も... -
食文化の記録
台湾の「包(パオ)」と「餃(チャオ)」についての記録
―― 小麦の二つの系譜 ―― 台湾の食堂の壁には、赤い短冊のようなメニュー札が並んでいる。水餃、湯包、胡椒餅、生煎包。 日本人の目には、どれも似たように見える。小麦粉の皮で肉を包んだもの。その違いは形状か、焼くか蒸すか程度だと受け取られがちだ。 ... -
食文化の記録
台湾の蚵仔煎についての記録
―― 台湾の夜市で生まれた、独自の牡蠣オムレツ ―― 台湾の夜市で鉄板の前に立つと、油が跳ねる音が絶えず続く。鉄板の上には小さな牡蠣、溶いた粉、野菜、卵が次々と置かれ、店員の手が止まらない。 台湾南北どこへ行っても見かける料理だが、これは単なる... -
食文化の記録
台北・三重の5大魯肉飯について記録
—— 台北橋のむこうにある下町の味 ―― 新北市・三重区。台北市から淡水河を一本渡っただけのこの街は、観光地ではないにもかかわらず、魯肉飯の名店が密集している。 地元民の間で語られるのが 「三重5大魯肉飯」 だ。 今大魯肉飯(脂の爆弾)店小二魯肉飯... -
食文化の記録
台湾・魯肉飯と食堂の流儀についての記録
―― 魯肉飯は「定食のベース」 —— 台湾を初めて訪れた日本人が、よく同じ行動を取る。食堂に入り、魯肉飯(ルーローハン)だけを注文し、五分ほどで食べ終えて店を出る。 本人は効率よく台湾名物を消化したつもりでいる。だが、その光景は、台湾側から見る... -
食文化の記録
台湾|魯肉飯・肉燥飯・控肉飯の違いについての記録
―― 「魯肉飯」という漢字は信用してはいけない ―― 台湾の食堂に入ると、似た漢字が三つ並んでいることがある。魯肉飯(ルーローハン)。肉燥飯(ロウザオファン)。控肉飯(コンロウファン)。 どれも「肉が乗ったご飯」に見える。ガイドブックを開けば、... -
食文化の記録
台湾の魯肉飯についての記録
―― 積み重なった食文化と日常 ―― 台湾の街角には、いつも甘じょっぱい匂いが漂っている。夜市の派手な呼び込みよりも先に、湯気の向こうから鼻をつかむ匂いだ。 魯肉飯は、タピオカや小籠包のような「ハレの日の名物」ではない。台湾人の血肉を作る「ケ(... -
食文化の記録
台湾・朝食屋が広まった背景についての記録
―― 米も小麦も豆乳も ―― 台北の朝を歩くと、通りごとに音の層が重なっている。 鉄板の上で卵が焼ける音。隣では麺が湯から引き上げられ、その向かいで大きな鍋の豆乳が静かに揺れている。 サンドイッチ屋の横に麺屋があり、そのすぐそばに豆漿店がある。 ...