台湾・魯肉飯と食堂の流儀についての記録
台北の丸林魯肉飯では、客はまずガラスケースの魚や肉、青菜を選び、最後に店員から「飯? 麺?」と聞かれる。小さな魯肉飯の茶碗は、選ばれた皿のあとに置かれている。
台北の丸林魯肉飯では、客はまずガラスケースの魚や肉、青菜を選び、最後に店員から「飯? 麺?」と聞かれる。小さな魯肉飯の茶碗は、選ばれた皿のあとに置かれている。
台北で「魯肉飯」を頼むと、細かく刻んだ豚肉が白飯を覆う。ところが濁水溪を越えると、同じ三文字の丼に大きな豚バラ肉が載る店が現れ、細肉の飯には別の名前が付いている。
台湾の食堂で魯肉飯を頼むと、細かく刻んだ肉が出る場所もあれば、角煮のような塊肉が乗る場所もある。同じ漢字の丼が、土地を越えると別の姿を見せる。
台北の朝、豆漿店の隣でサンドイッチが焼かれ、その向かいでは粥や麺が湯気を立てている。米、小麦、豆乳、洋風のパンが、ひとつの通りの同じ時間帯に並んでいる。
蒸籠の蓋が開いても、箸より先にスマートフォンが上がる。白いレンゲの上で小籠包を揺らし、皮を破り、流れ出すスープまでが食べる前の見せ場になっている。
台北の小さな蒸籠から出た小籠包は、いまやロサンゼルスやロンドンの店でも、同じひだと手順で供されている。豚肉を使わないものや、家庭で蒸す冷凍品まで、国境を越えた先で形式が保たれている。
台北の空港や百貨店では、薄い皮に肉汁を閉じ込めた小籠包が、台湾を代表する味として整然と蒸籠に並んでいる。その料理をたどると、出発点は台湾の外にある。
かつて牛を食べる習慣が広くなかった台湾で、いまや牛肉麺は街角から百貨店まで見かける日常食になっている。赤いスープに浮かぶ大きな牛肉と麺は、台湾料理としてあまりに自然に定着している。