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台湾人が飲み干すタピオカの量を計ってみる

街角のどこかで必ずタピオカミルクティーのカップを見かける。
ゴミ箱の横にも、原付の足元にも、夜市の片隅にも透明のカップが落ちている。
日常の景色として当たり前になっているが、ふと、
「台湾の人々はいったいどれだけのタピオカを飲み干しているのだろう」
という疑問が浮かんだ。

考え始めると、粒を数える必要が出てくる。
タピオカを“粒”として扱うのは奇妙だが、
今回はその方法で計算してみることにした。

前提条件と定義

対象は台湾全土とした。
単位は粒。タピオカパール1粒を最小の単位とする。
範囲はドリンクスタンド、コンビニ、カフェに絞る。

豆花やかき氷に入っているタピオカは除外した。
スプーンですくう量が曖昧で、屋台が多すぎて全体像がつかめないからだ。
今回の計算は、あくまでストローで吸われるタピオカの総量を求めるものとする。

供給拠点の数を出す

台湾経済部の統計によると、ドリンクスタンドは約2万8千店ある。
街を歩けば分かる通り、これは決して誇張ではなく、
信号を二つ渡れば別の店が見つかる密度である。

コンビニは大手4社の合計で約1万3千店。
ただし、すべての店でタピオカが安定して売れるわけではない。
ここは控えめに、全体をドリンクスタンド2千店分とみなす。

カフェも同様に、2千店分として扱う。

合計すると、タピオカを供給する“拠点”は3万2千となる。
数字にすると大きいが、台湾の街を歩いていると現実味がある。

1杯あたりの粒数を決める

Mサイズカップのタピオカを吸うと、
ストローから一度に3粒ほど入ってくる感覚がある。
20回吸って飲み切ると仮定すると、3粒×20回=60粒。

底に残る数や誤差を考慮し、1杯あたりは70粒として計算する。
実際の粒数とは多少ずれるかもしれないが、こんなものだろう。

計算の結果を見る

店の1日の平均杯数を300杯と仮定する。
そのうちタピオカ入りの割合を25パーセントとする。

3万2千店 × 300杯 × 0.25 = 240万杯/日。

ここに70粒を掛けると、
240万杯 × 70粒 = 1億6800万粒/日。

一年に直すと、
1億6800万 × 365日 = 約613億粒となる。

数字だけを見ると実感の湧きにくい量だが、
台湾全土で飲み干されるタピオカは、
粒単位ではこれほどの規模になる。

星空との比較

地球が属する天の川銀河には、およそ2,000億から4,000億の星があると言われている。
観測技術や計算方法によって幅があるが、
最低でも千億のオーダーだとされる。

台湾人が一年で飲み干すタピオカの粒は、
その天の川銀河の星の数割に相当する。
まさに星の数ほどの量だ。

夜市の出口あたり、
ゴミ箱のそばに並んだ空のカップを見ながら、
特に意味もなく歩き続ける。


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