マレーシア・ママックという屋外のリビングについての記録
ショッピングモールが閉まり、バーの灯りが消えたあとも、道路沿いのママックには白い蛍光灯が残っている。濡れたバイク便の人も、食事を終えた家族も、同じ硬い椅子に座ってテ・タリを飲んでいる。
ショッピングモールが閉まり、バーの灯りが消えたあとも、道路沿いのママックには白い蛍光灯が残っている。濡れたバイク便の人も、食事を終えた家族も、同じ硬い椅子に座ってテ・タリを飲んでいる。
港の煙突とコンテナ船を見下ろす高雄85大樓は、完成した1997年には台湾一の高さを誇っていた。だが、その足元にはまだ遊歩道もライトレールもなく、工業地帯の中に塔だけが立っていた。
港に近い倉庫群では、剥がれた塗装や露出した配管の横に、壁画や彫刻、カフェが並んでいる。人の集まる観光地でありながら、床の溝や錆びた鉄骨には、かつて貨物を待っていた場所の手触りが残っている。
夜になると、愛河之心ではS字型の橋と水面の光に人が集まり、ベンチには散歩や写真を楽しむ人が座っている。穏やかな公園に見えるこの場所には、雨のときだけ姿を変える別の輪郭がある。
昼下がりの愛河では、遊歩道を犬連れの家族やジョギングする人が行き交い、遊覧船が静かな水面を進んでいる。けれどこの水路は、もともと景色を楽しむための場所ではなかった。
港に近い高雄の前鎮区に、魚の形をした本館と観覧車を載せた別館からなる巨大モールがある。建物は2007年に完成していたが、北側の市街地との間には、長く立ち入りできない軍用地が残っていた。
高雄の南側にある漢神百貨本店は、駅から歩き、いまも新しい建物ではない。それでも入口にはエルメスやシャネルが並び、上階のホテルからは外へ出ずにその売場へ降りられる。
高雄の地図では、山に近い北側に高層住宅や新しい区画が連続する一方、平地の広がる南側で街の輪郭が途切れる。港と空港、MRTがそろう場所にも、低いスカイラインと大きな空白が残っている。
週末の漢神アリーナでは、フードコートの席が埋まり、鼎泰豊に2時間待ちの列ができる。2008年の開業時、まだ大きな賑わいのなかった左営に建つこの百貨店は、いま高雄の人の流れの中でひときわ目立っている。