台湾の片隅
旅行者が台鉄に乗る理由を考えてみる
台北から台中へ向かうなら高鉄、市内を動くならMRTと、旅行者の移動手段はすぐに決まる。そこから外れた台鉄の車内で、鐵路便當を食べる時間だけが少し違って見える。
台湾を歩いているといくつかの疑問が頭に残る。
なぜこんなにドリンク屋が多いのか。
なぜ台中から流行が生まれることが多いのか。
なぜ夜市はどこに行ってもあの形になるのか。
ここでは、そうした「どうでもいいけど、なんとなく気になること」を、
街を歩きながら考えていく。
はっきりした結論が出ない話も多い。
歩きながら、考えていたことを書いているだけの場所。
台湾の片隅
台北から台中へ向かうなら高鉄、市内を動くならMRTと、旅行者の移動手段はすぐに決まる。そこから外れた台鉄の車内で、鐵路便當を食べる時間だけが少し違って見える。
台湾の片隅
西門駅の改札を出て迪化街へ向かう道では、観光地を離れても歩道が途切れず、車道へ押し出される場面が少ない。地下を走るMRTを降りた人が、そのまま自分の足で街の奥へ入っていける。
台湾の片隅
高雄LRTの車窓では、港や倉庫群の向こうまで空が途切れず、線路の脇には舗装しすぎない緑地が続いている。地上を走る路面電車なのに、街に大きな線を引いた感じが残らない。
台湾の片隅
台北や高雄では空港から市街地までMRTで移動できるのに、台湾最古級の都市・台南では、中心部の細い道をバイクとバスが行き交っている。大都市の交通網が当たり前になった台湾で、台南だけ地下の風景がない。
マレーシアの片隅
茶色いソースに覆われ、具材の境目もほとんど見えないナシカンダーの皿を、会計係のアネは一瞥して12リンギットと告げた。オクラを一つ足したのに、いつもの金額は変わらなかった。
台湾の片隅
「冰豆漿、半糖」と決めて朝食屋のレジに立っても、壁の端にある紅茶豆漿の文字が視界に残る。甘さを選べないその一杯は、注文する前から砂糖の量まで決まっている。
台湾の片隅
台湾の火鍋屋では、夜になると店の外まで湯気と唐辛子の匂いが流れ、席が埋まっていく。大勢で囲む鍋だけでなく、近年はカウンターで一人鍋を黙々と煮る光景も珍しくない。
台湾の片隅
スターバックスのラテが150元で売られる台北の中心部で、路地裏の朝食屋は豆乳25元、蛋餅35元の値札を掲げている。朝の数時間、客席のない店先に紙袋だけが次々と積み上がっていく。
台湾の片隅
タピオカや鶏排の看板が並ぶ台湾の夜市で、注文を受けるたびに火力と油を調整し、鉄鍋を振る炒飯屋台がある。誰が作っても同じ味にしやすい店々の間で、その一皿だけが店主の腕に強く預けられている。
台湾の片隅
バンコク・ヤワラートの鉄板では、牡蠣料理が砕けるほどのカリカリか、具と液体が溶け合うほどのドロドロに振り切れている。その間で、台湾の蚵仔煎だけが、崩れそうで崩れない粘り気をまとっている。