台湾・中山区 雙連朝市についての記録
雙連駅を出て左へ歩くと、整えられた心中山線形公園の隣で、豚の頭や山積みの果物、切りたての肉が並ぶ。散歩道と朝市の境目は、舗装の上にほとんど線を引かれていない。
雙連駅を出て左へ歩くと、整えられた心中山線形公園の隣で、豚の頭や山積みの果物、切りたての肉が並ぶ。散歩道と朝市の境目は、舗装の上にほとんど線を引かれていない。
昼はバイクが走るだけの道路に、夕方になると同じ屋台が同じ位置へ現れ、電球の下に店の列ができる。地図にはない境界線と、見えない占有のルールがそこに残っている。
午後2時を過ぎると、昼には満席だった食堂のシャッターが半分下り、看板の灯りが消える。ガラス越しには、椅子を二つ並べて横になる店員の姿がある。
台中・大甲には、田んぼと低い建物が続く、どこにでもありそうな町並みが広がっている。その一帯で作られた自転車には、台湾の会社とは別のロゴが刻まれ、世界の街を走っている。
台北では、MRTの出口や大学の正門前といった街の一等地に、YouBikeの駐輪場が置かれている。しかも最初の30分は無料に近い料金で、学生から高齢者まで同じように使っている。
駅前のYouBikeは、朝にはきれいに揃い、どの車体に乗ってもブレーキやハンドルに大きな違いがない。けれど少し離れたステーションでは、サドルを後ろ向きにした一台が混じっている。
台北の街角では、雨にさらされ、不特定多数に乗られ続けた自転車が、今日も同じドックに並んでいる。世界各地でシェア自転車の残骸が積み上がったあとも、YouBikeの車体は公共交通の一部として走り続けている。
台北の歩道では、借りたYouBikeが好きな場所に置き去りにされず、数分おきに現れるステーションへ戻っていく。返却先を選べない仕組みが、街の風景としては不思議なほど馴染んでいる。
台鉄の線路には、通勤客を乗せて細かく駅に停まる列車と、車窓そのものを楽しむための列車が走っている。かつて長距離移動の主役だった鉄道に、異なる時間の使われ方が重なっている。
高鉄や台鉄、MRTが走る台湾で、都市間を移動する人の列は今も高速バスの乗り場にできている。車内に入れば大きな座席が並び、発着地は鉄道駅とは少し違う場所にある。